広島市議会議員(安芸区)

幽玄の世界、仙石庭園観月会

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 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 

 14日の夕、東広島市高屋の仙石庭園で観月会が開かれました。仙石庭園は岡山大学医学部の先輩であり、東広島記念病院院長の山名征三先生が作られた庭園です。

 高垣東広島市長を始め、原田康夫元広島大学学長、岡田章元東広島商工会議所会頭、新谷正義衆議院議員など多くの来賓がご出席され、山名先生の人脈の広さが窺がえました。

 

 筑前琵琶人間国宝、奥村旭翠の演奏と語りの迫力には圧倒されました。歌舞伎十八番の「勧進帳」での義経、弁慶一行と関守、富樫左衛門のやり取りを描く「安宅」は独演で約40分にも及ぶものでした。満月の下、特設会場に集まった400人の皆様と幽玄の世界を堪能しました。

 筝曲演奏の北垣内秀響も華を添えました。北垣内秀響はわたくしの同居人です。わたくしは運転手を務めました。

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山名征三先生。  

f:id:okimune:20190916124436j:plain北垣内秀響。

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 村上旭楓。キリっとした美人でした。

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長尾旭隆と奥村旭翠。長尾さんは仙石庭園の名物ガイドさんです。定年を機に琵琶歌を始められたそうです。十分な声量でした。

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 満月の下、人間国宝の至芸による幽玄の世界。

 

アフリカ象の密猟(3)日本人がテロリストに加担している

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 最終章です。

 

 中国人や日本人が悪意もなく象牙を愛でることで密猟を促しているのは世界中が認めています。さらに密猟で得た資金がテロリストに流れ無辜の市民を殺している側面も忘れてはなりません。インターポールが2013年に行った調査によると、国際犯罪組織に流れた資金は年間で推定188億円に上っています。

 

 著者は述べています。

「直結しているのだ。

中国とアフリカが。

アフリカと日本が。

歓声と悲鳴が。

 我々が子女の卒業祝いに象牙の印鑑を買い求めるとき、アフリカでは数万党のゾウが粗末なカラシニコフ自動小銃で殺され、学生たち首が鉈で切り落とされている」と。

 

 最後にもう一つショッキングな事実を書きます。アフリカの草原で猛獣をハンティングしている画像をご覧になったことがあるでしょう。あのハンティングは許可を得て行っているのかを考えたことがありますか?実際は広大な私有地(日本の市町村レベル)で行われるハンティングツアーです。標的になる猛獣たちは養殖されているのです。アフリカ大陸には現在、野生のライオンが推定3万5000頭生息していますが、南アフリカには約6000頭のライオンが200以上の施設でハンティング用に養殖され、年間数百億円もの莫大な利益に貢献しています。業者のホームページには私有地内で射撃できる動物1頭当たりの値段が掲載されており、シマウマは1300ドル、キリンは4000ドル、雌ライオンは8000ドル、そして雄ライオンは最も高い5万5000ドルです。

 

 アフリカゾウを殺しているのは誰か?を命がけで取材した力作です。日本人としてその罪を自覚していなかったことを恥ずかしく思います。

 

アフリカ象の密猟(2)=密猟の実態

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 前回の続きです。

 下の写真はモンビーク・キリンバス国立公園のキャンプサイトに並べられた数百頭分の下あごです。当然密猟されたものです。

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 下の写真はケニヤ・ナイロビ国立公園で焼却処分された大量の密猟象牙象牙はカルシウムであり、簡単に焼けないので点火したところだけ見せて、すぐに消火して隠匿した可能性もあります。

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 さて、密猟者はヘリで上空から象の群れを見つけ地上に連絡します。GPSで群れに迫った地上部隊は機関銃で根こそぎ群れを殺戮します。象は賢く、仲間の死を悼むこともします。群れの仲間が動けなくなると見捨てることなく、そばを離れません。そのた   

め一網打尽になるのです。象の妊娠期間は長く、22か月である上に、10年間に1頭か2頭しか生まれません。

 また、象は皮膚が硬いため、密猟者たちは死後硬直が起こる前に牙を取ります。銃弾を撃ち込んで動けなくしたのち、象が生きているうちにチェーンソーで顔面を切り取るのです。それが前回のサタオの悲惨な写真です。

 現地では密猟された象牙の価格は1キロ約1万円から1万5000円です(末端では20万円以上の値が付きます)。象1頭で10キロから15キロの象牙が取れるので、1頭仕留めれば1年分の年収が稼げるのです。「サバンナのダイアモンド」と呼ばれる所以です。

 

 下の写真は「象牙女王」と呼ばれる中国人の楊鳳蘭です。彼女が率いる組織は地元警察その他の公的機関を買収しており、まったくやり放題です。そこには中国大使館が介在しています。密猟された象牙は大使館の車で空港に運ばれ、税関のフリーパスで香港や中国本土に運ばれます。

 

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 2013年3月に習近平タンザニアを訪問したとき、同行の閣僚や財界代表団が大量の象牙を購入したため、象牙価格がほぼ2倍に暴騰しました。彼らが購入した数トンの象牙は外交封印袋に入れて習近平の専用機で中国へ送られました。

 

 2016年9月にすべての象牙市場を閉鎖すべきかを話し合う第17回ワシントン会議が南アのヨハネスブルグで開かれました。象牙取引を規制する決議案に対して日本代表団が修正案を連発して決議案を骨抜きにした様子も描かれています。これに対して中国は2016年12月に、2017年内に国内の象牙取引を全面禁止することを表明しました。密猟象牙の元凶とされ続けてきた中国が「どのツラ下げて」いうかと思いますが、日本を貶めて自らは埒外に逃げ込んで知らぬ顔を決め込む狡猾さが見えます。

続きは次回です。

 

アフリカ象の密猟(1)=衝撃の書「牙」

いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 

久しぶりの戦慄でした。アフリカ象密猟の実態を暴いた「牙」です。学名はアフリカゾウですが、ここではわかりやすいアフリカ象と書きます。脅迫や暗殺の恐怖と闘いながら取材した内容だけに濃いものになっています。密猟によってこのままのペースで進めば、わずか十数年でアフリカ象が地球上から消滅します。それに加担している元凶が、美術工芸品としての象牙を珍重する中国と日本です。日本は世界の象牙の約4割を消費する「象牙消費大国」なのです。

1984年には約474トンもの象牙が日本に陸揚げされています。この数字は当時アフリカで生息していた野生象の半分に相当する約72万頭ものアフリカ象が日本人の印鑑などのために命を奪われたことを意味します。

ヤフーオークションでは、2012年からわずか3年間の間に、合計803本(合計重量約4トン)の全形象牙が落札されています。全形でなく切断された象牙の落札を加えると落札件数は約1万6500件、総重量は約12トンにも及び、さらに別に約5万5000本もの象牙印章が同時期に落札されています。日本では象牙がインターネットで売られまくっている実情が暴かれました。欧米社会から激しい怒りを巻き起こしたのも当然でしょう。中国での市場は統計がありませんので不明ですが、日本以上であることが予想されます。

 

オスの象は40歳を過ぎないと生殖能力が十分ではありません。逆に密猟者にとっては、十分に育った大きな牙を持つオスがターゲットになります。年長のオスはあらかた獲り尽されて、現在生き残っているオスは小型で生殖能力が十分でない25歳未満がほとんどです。

我々が思い描くサファリパークは象だけでなく、キリンやライオン、シマウマなどが優雅な姿を見せるものですが、現状は全く異なります。ケニヤやタンザニアモザンビークの国立公園ではアフリカ象の姿が消えています。

2015年5月のAFP通信には、モザンビークに生息する野生象が過去5年間で2万頭あまりから約1万300頭へと48%減少したことを報じています。同年6月には、タンザニアに生息する野生象の個体数は過去5年間で10万9051頭から4万3300頭に、約6割もの壊滅的現象になったと伝えています。タンザニア南部とモザンビーク北部が密輸象牙の2大産地です。

1940年には500万頭いたアフリカ象は2010年代にはすでに10分の1の50万頭に激減しています。その上、毎年約3万頭が密猟で死に追いやられています。

2014年5月30日に発見されたサタオの死骸は世界に衝撃を与えました(下の写真)。この写真は、いかにひどい密猟が行われているかを物語っています。

あまりにもショッキングな内容が満載なので1回では書き切れません。続きは次回に。密猟の実態や中国の関与について書きます。

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筑前琵琶の人間国宝が来広。

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

 

 9月14日(土)18時半から東広島市高屋町の仙石庭園で、筑前琵琶人間国宝、村上旭楓が演奏します。筑前琵琶に限らず、人間国宝の演奏を聴くチャンスはめったにありません。ぜひともお出かけください。

 ちなみに筝曲大師範、北垣内秀響はわたくしの家内です(笑)。

 秋の夜長、幽玄のひとときを過ごしましょう。早めに行って石庭を散策するのもいいですよ。駐車場は十分にあります。

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