広島市議会議員(安芸区)

平和記念公園の喫煙所は5年以上撤去できない?

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 朝から雨模様です。この雨雲が首都圏に雨を降らせて、水不足が少しでも解消されることを祈っています。


 一昨日は建設委員会で受動喫煙防止対策、特に平和記念公園の禁煙化について質問しました。同公園は都市整備局が所管しているためです。


 かつては55ヶ所あった公園内の灰皿は、現在では3ヶ所だけとなっています。その他に原爆資料館東館の前に喫煙所が設置されています。この喫煙所はJTから中国たばこ販売協同組合連合会を経て広島市に寄贈され、平成26年8月に設置されたものです。そのとき広島市とJT、中国たばこ販売協同組合連合会の3者で覚書が交わされています。


 覚書では、喫煙所を5年間は継続して設置し、共用に付するとされています。広島市は、その期間中はもとより、その経過後であっても、喫煙所の譲渡、分解、改造、移設、撤去等の処分又は共用停止を行うことを希望する場合には、他の2者、つまりJTと中国たばこ販売協同組合連合会に対し3か月前を目途に事前に書面で通知するものとし、3者はこれについて誠実に協議し、対応する。となっています。


 広島市には平成15年7月に制定された「広島市ぽい捨て等の防止に関する条例」があります。ここでは何人も喫煙制限区域内では喫煙できないと謳われており、平和記念公園はこの喫煙制限区域に含まれています。しかし、その但し書きの中に、広島市が設置した灰皿や喫煙所の近くではその限りではない。となっています。わたくしは、この但し書きの次に、「平和記念公園を除外する」という一文を加える条例の改正案を試みました。ところが、喫煙所の移転には費用が発生するため、今定例会での条例改正はできませんでした。地方自治法によって、議会は予算の増額を伴う条例は提出できないためです。
移転費用については今後当局と協議しますが、覚書によって議会の最大の権限である立法権に制限が加えられた一面があります。



 広島市において、昨年の入込観光客数は約1,200万人となり、5年連続して過去最高を更新しました。外国人観光客も初めて100万人を突破しました。このような状況の中で、国際平和文化都市の象徴であり、被爆者の聖地である平和記念公園に灰皿を含めて4ケ所とはいえ、喫煙できる場所があることの理由の説明はできないでしょう。わたくしは、喫煙を全面的に禁止しようとしているのではありません。わたくしは、平和記念公園で喫煙したければ、道路一本、橋ひとつを渡った場所で喫煙してくださいとお願いしているだけです。平和記念公園には妊婦や子供が通ります。修学旅行の学生も多く訪れます。地方政府としての広島市、そしてその議会を担うわれわれには、彼らを受動喫煙から守る義務があります。引き続き、平和記念公園の禁煙化について努力します。