広島市議会議員(安芸区)

広島市の飲料水は心配ご無用です

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 二日間強い雨が降っています。明日も降りそうです。水不足が少しでも解消されることを祈っています。
 さて、広島県東部のダムの貯水率が相当に下がり、一部の地域では給水制限の可能性が高まっています。広島市水道局に伺ったところ、広島県東部は毎年雨量が少ない地域だそうです。6月27日の新聞記事によると、芦田川上流の灰塚ダムと矢田原ダムの貯水率がともに33%に低下し、深刻な渇水状態になっています。平年の同時期の貯水率は90%以上ですから相当の落ち込みです。一方、おもに広島市への給水を司る温井ダム貯水率はほぼ平年並みの97%ですので、広島市の給水は心配ご無用です。ここで温井ダムについて少しお話します。温井ダム安芸太田町大字加計にあります。アーチ式コンクリートダムで堤高は156メートル。これはアーチ式ダムとしては有名な黒部第4ダムに次ぐ日本で第2位の高さです。昭和49年から平成13年までの28年間をかけて完成しました。総事業費は1,746億円もの巨費が投じられました。内訳は下記のとおりです。
 国土交通省:68.2%(1,189億円)
 広島市  :20.9%(365億円)
 広島県  :10.5%(183億円)
 中国電力 :0.4% (7億円)

 広島市の負担分365億円の内訳は、国庫補助金が126億円、広島市の一般会計から121億円、広島市水道局の借金である起債が118億円です。つまり、広島市は239億円を負担したことになります。この239億円が高いか安いかについては賛否両論あると思いますが、わたくしは市民の安心・安全のためには決して高くないと思っています。平成6年の渇水をご記憶でしょうか。夏休みに学校のプールは閉鎖され、車の洗車も控えました。広島市でも給水制限が行われ、市民生活に大きな影響が出ました。もし、平成6年と同様な渇水状態に陥っても、温井ダムのおかげで現在ではほとんど給水制限は必要ありません。また、同ダムは発電も行われており、この点でも安心です。
 もうひとつ、皆さんに知っておいてほしいことがあります。
 広島市の水道は明治31年に給水を開始し、現在111年目になります。その間、一日たりとも断水したことがありません。ということは、あの原爆による混乱期にも給水が続けられたことになります。当時の水道局の記録には、水道局員が破裂した水道管の補修に走り回ったことが記されています。当時の水道局員の献身的な働きに頭が下がります。わたくし自身、かつて上下水道委員長を務めたことがありますが、広島市ライフラインである上水道、下水道局の職員の士気の高さは誇るべきものがあります。
 彼らのおかげでわたくしたちの日常生活に安心と安全がもたらされていることを、広島市民として忘れてはならないと思います。