広島市議会議員(安芸区)

琴光喜・大嶽親方の処分は「やり過ぎ」

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 梅雨明けが待ち遠しい時季です。


 大相撲の野球賭博騒動がマスコミをにぎわしています。大関琴光喜と大嶽親方は解雇以上の処分(解雇か除名)になりそうです。マスコミ各社も揃って、彼らを袋叩きです。これまで朝青龍時津風部屋での弟子死亡事件などがあり、大相撲界の体質が問われているのは確かです。


 しかし、二人を追放することがはたして正しいのでしょうか。賭博は刑法で最も軽い罰金刑です。常習賭博とは、何度も指摘されてもやめないことであり、彼らには当てはまりません。
 それに比べて被害者が告訴を取り下げたとは言え、朝青龍が起こしたのはは傷害事件です。時津風部屋の事件は傷害殺人です。朝青龍は解雇でなく、退職金も支払われます。元時津風親方日本相撲協会とは和解しています。
 日本国憲法第十八条には、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」と謳われています。法律で定められた以上の罰則を科すことは間違っています。


 幼い頃から相撲一筋で生きてきた彼らに死刑を宣告する権限は誰も持っていないはずです。国民もマスコミも冷静になるべきでしょう。今の状態は魔女狩りです。死一等を減じて、再起のチャンスを与えるべきでしょう。
 かつて、黒い霧事件プロ野球界を追放された元西鉄ライオンズ池永正明投手は名誉回復がなされましたが、それが何になるでしょう。あれほどの能力を持った若者の未来を奪った罪は大き過ぎます。


 今回の騒動が起こる直前に「横綱大鵬 晩節のかがやき」を読みました。「横綱の品位とはなにか」と副題が付せられています。ストイックな姿勢で相撲道に取り組み、何度も再起した姿には心打たれました。大鵬の心痛は察するに余りあります。大嶽親方が早まった行動を取らないことを祈っています。