広島市議会議員(安芸区)

クリント・イーストウッドにシビレっぱなし

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 今日は大暑(たいしょ)、今年一番の猛暑です。大暑二十四節気のひとつです。ちなみに次の節気は15日後の立秋です。こんなに猛暑の中ですが、あと2週間で暦の上では秋になります。


 最近、クリント・イーストウッドにしびれています。「夕陽のガンマン」や「ダーティー・ハリー」の頃ではなく、最近の作品にです。
 彼が監督としてメガホンをとりながら、出演している最近の映画は出色のものが目白押しです。
 

 「ミリオンダラー・ベイビー」は不器用な素人の女性をプロボクシングの世界チャンピオンの育てる老トレーナーを描いた話です。リングの上で相手の反則によって頚椎を損傷させられた女性との友情を肌理(きめ)細かく描いています。寝たきりになった女性の財産に群がる親戚たちの意地汚さと対照をなすふたりの心理描写は秀逸です。ボクシング映画ではシルベスター・スタローンの「ロッキー」やロバート・デ・ニーロの「レイジング・ブル」が有名ですが、わたくしは、「ミリオンダラー・ベイビー」が最高だと思っています。


 「スペース・カウボーイ」は若いときに宇宙飛行士を目指した老人が、自らが設計した宇宙ステーションを修理するために宇宙へ飛び立つ話です(60歳を超えて宇宙へ行くなど現実にはありえないでしょうが)。
 当時のチームを集めて訓練を始め、何とか宇宙でステーションの修理を成し遂げます。身体検査のとき、4人の老飛行士の裸の垂れ下がった尻とたるんだ腹には笑わせられます。自分の命と引き換えに修理を完成させ、月に自分をロケットで打ち込んでもらう飛行士を演じたのが、ジミー・リージョーンズです。缶コーヒーのコマーシャルでとぼけた風貌をよく見ます。
 ラストシーンは月面で地球を眺めるように、ロケットの破片に背を持たせかけた彼の姿が感動的です(これもありえないシーンです)。思わず、微笑みたくなります。


 「目撃」ではイーストウッドが泥棒を演じます。ジーン。ハックマン演じるアメリカ大統領が、若き人妻と不倫の最中にけんかになり、人妻がペーパーナイフを振り回したためボディーガードが彼女を射殺します。その人妻は大統領の最大の後援者の若くセクシーな後妻です。その一部始終を目撃したのがイーストウッドです。大統領たちは現場を隠蔽しますが、イーストウッドは単身で大統領を追い込みます。そのストーリー展開は息をつかせません。この映画もラストシーンが印象的ですが、それは見てのお楽しみにしましょう。


 イーストウッドは老いてから魅力を増しました。いまが最も輝いているように見えます。それは007シリーズでジェームズ・ボンドを演じたショーン・コネリーが「かつら」を脱いでからのほうが魅力的ななったのと同様です(アンタッチャブルの演技は最高でしたね)。


 「イーストウッドが死ぬとき、ハリウッドも死ぬ」と言う言葉があります。同感!!!

 余談になりますが、わたくしは10年前、ロス・アンジェルスのロデオドライブを歩いているとき、アーノルド・シュワルツネッガーと出くわしました。話しかけてもまったく相手にされませんでしたが、意外に大きくありませんでした(といっても180cmくらい)。映画で見る彼は2メートル近く有りそうな印象ですが、強い男は大きく見えるのでしょう。ジョン・ウエインが大きく見せるために撮影のセットは小さめの小道具を揃え、馬も小さいものを用意したのは知られざるエピソードです。