広島市議会議員(安芸区)

江戸の花火は美しくなかった

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
立秋を過ぎて、なんとなく涼しくなった気がします。
今日、夕方ふと気がつくと、ずいぶん日が短くなったことに気づきました。夏至から約2ヶ月。日も短くなるはずです。


 さて、江戸時代、大川(隅田川)の川開きは庶民にとって大変楽しみな行事でした。落語の「たがや」でもそんな雰囲気がしのばれます。テレビデラマの「鬼平犯科帖」のラストシーンではジプシー・キングスのギター演奏をバックに打ち上げ花火が描かれています。わたくしもつい最近まで江戸時代でもあれほど美しい花火だったと思っていました。しかし、いろいろと勉強してみると誤りであることがわかりました。


 花火が美しいのは多彩な色彩があるからです。色彩は混ぜる金属によって出されます。いわゆる炎色反応です。黄色はナトリウム、赤紫はリチウム、黄緑はバリウムによって出されます。このような金属が日本に入ってきたのは明治以降です。ですから、江戸時代の打ち上げ花火は決して多彩な色彩ではなかったことになります。とは言っても、その頃の花火が多彩であったと思うのも趣があっていいのではないでしょうか。当時の花火が白っぽかったと真実を語るのはなんとも野暮ですね。