広島市議会議員(安芸区)

ヒロシマ・オリンピック基本計画(2)

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 昨日、2020年開催を目指すヒロシマ・オリンピックについて全員協議会が開かれ、7時間に及ぶ活発な審議が行われました。ヒロシマ・オリンピックはこれまでのような首都クラスの大都市ではなく、複数の都市が協力することにより、世界の様々な地域での開催が可能になるようなモデルを目指しています。過度の商業主義を排し、コンパクトで安価な大会を計画しています。2020年までに核兵器を廃絶し、世界から祝福される平和の祭典を目指しています。以下計画について書きます。


 開催期間は2020年8月7日から8月23日の17日間です。8月6日の原爆慰霊祭の翌日の開催です。競技種目は28競技、304種目です。市民にとってもっとも関心の高いのは財政問題でしょう。開催にかかる必要経費は4,491億円で、広島市の負担は52億円です。

 ちなみに、2016年の大会招致を目指した東京都の総予算は7,089億円、福岡市は7,754億円ですから、ヒロシマ・オリンピックの予算がいかに少ないかがわかります。新たに大規模なインフラ整備は行わず。会場は既存の施設を使い、対応できない場合は仮設で対応します。


 必要経費は、(1)大会招致経費、(2)大会運営経費、(3)大会関連経費の3つに分かれます。
(1)大会招致経費は大会の招致に関するもので、25億円です。ヒロシマ知名度を生かし、少ない経費で招致活動を行います。東京都は2016年オリンピック招致活動に150億円を使いました。

(2)大会運営経費は大会全般に係る経費で、仮設による競技施設の整備費や大会運営の人件費、競技会場の警備費などが含まれます。4,329億円が計上されています。この経費は、国、JOC、広島県広島市で構成する大会組織委員会の負担となるため広島市単独の負担ではありません。また、東京都の場合、赤字になったときには国から補填されることになっていました。

 収入の主なものはテレビ放映権収入729億円、チケット収入528億円、寄附金など982億円、仮設の施設などの資産売却収入458億円などです。昨日の審議で最も問題となったのは寄附金でした。はたして982億円もの寄附が集まるのかどうかです。インターネットや4000を超す平和市長会議加盟の都市の協力を得るとしています。オバマ米大統領は大統領選でインターネットを利用して650億円を集めています。

(3)大会関連経費は、開催に関連して必要となる恒久的な競技施設や交通インフラ等に必要な経費で、137億円を見込んでいます。警備費が100億円、メイン会場となるビッグアーチの整備費が37億円です。
 開閉会式のメイン会場は7万人を収容することが求められます。ビッグアーチは5万席ですから、不足分は仮設スタンドで対応します。

 
 経済波及効果は東京は1兆5、475億円、福岡市は1兆1,753億円を見込んでいました。ヒロシマ・オリンピックでも相当の波及効果が見込めます。また、2000年のシドニー大会は310億円の黒字、2004年のアテネ大会は175億円の黒字でした。


 ヒロシマ・オリンピックは国を挙げての一大プロジェクトです。広島市民だけでなく日本国民全体に夢を与える大会にしたいものです。心配であった財政問題は、驚くほど安い経費に抑えられています。わたくしはヒロシマ・オリンピックの開催に賛成ですが、市議会内には反対の議員も多く、来年の市長選や市議会議員選の一つの争点になるでしょう。みなさんはどうお考えでしょうか?