広島市議会議員(安芸区)

わたくしがTPPに反対する理由(1)

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 昨夕はひろしま美術館で行われた「ソプラノとピアノの夕べ」を鑑賞しました。堀江さちこさんのピアノと中川詩歩さんのソプラノを堪能しました。おふたりともエリザベト音楽大学の卒業です。あらためて広島の文化度の高さに歓びを感じました。


 さて、政府ではTPP交渉へ参加するかどうかの議論が始まりました。これはあくまで「交渉への参加の是非」を論じる段階ですが、民主党内にも反対の声も多く、国民新党の亀井代表も断固反対の立場です。わたくしも絶対反対の考えです。それは、TPPがアメリカが日本をターゲットにした謀略だからです。これからその理由を少しずつ述べます。


 TPPとは「環太平洋パートナーシップ協定」のことです。もともとは、チリ、ブルネイニュージーランドシンガポールの4か国が貿易協定を結び、細々と助け合っていました。リーマンショックで打ちひしがれたアメリカ2009年に参入してからは様子が変わりました。現在交渉参加国は以上の5か国に加えて、オーストラリア、ペルー、ベトナム、チリの9か国となっています。アメリカは、日本の参加を強硬に求めています。再選が危ぶまれているオバマ大統領がなりふり構わずごり押ししているのです。


 日本が参加すれば10か国となりますが、その場合のGDPを比較しますと、アメリカが10か国の70%、日本が20%、オールトラリアが4%です。残りの国々のGDPなど取るに足りません。つまり、10か国といっても実質はアメリカと日本の協定です。早く交渉に参加して日本に有利な条件を引き出そうという意見がありますが、工業製品の輸出国である日本と利害が一致する国などありません。それなら韓国が行ったような米韓2国間のFTA(自由貿易協定)で事足ります。TPPには中国と韓国は参加しません。アメリカの謀略を感じているからでしょう。日本が参加しなければ、「環太平洋」とは中身のないものになります。


 昨年11月のAPEC横浜会議でオバマは、アメリカは今後5年間で輸出を2倍にし、アメリカ国民の雇用を確保すると宣言しました。TPP交渉参加国の中にアメリカの輸出を充分に受け入れられる国などありません。アメリカの輸出のターゲットは他ならぬ日本です。その場合、1ドル70円程度の円高が長期間続かないと無理であると予想されています。アメリカはさらにドル安に導くでしょう。そして、日本の富がアメリカに奪い去られるでしょう。(続く)


最近注文した本
1.兼好さんの遺言 小学館
  徒然草の作者、吉田兼好法師について書いた本です。
2.師匠は針、弟子は糸  講談社
  古今亭志ん輔著。故古今亭志ん朝との交流を描いた本です。あの流暢な江戸っ子弁、粋な高座姿、今でも古今亭志ん朝の死は悔やんでも悔やみきれません。