広島市議会議員(安芸区)

わたくしがTPPに反対する理由(2)

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。



 週末は秋祭りでにぎわったことでしょう。収穫に感謝する心を新たにしたいものです。農業の神は「豊受大御神(とようけのおおみかみ)」です。伊勢神宮の外宮(げくう)に祭られています。全国のお稲荷さんの総元締めです。ちなみに内宮(ないくう)には、皇室の御祖神である「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」が祭られています。太陽の神です。



「TPPへの参加が遅れると不利になる」のウソ



 前回に続いて、わたくしがTPPに反対する理由を書きます。
 経済界には、「TPPに参加しないと世界から取り残される」との主張がありますが、ヨーロッパも中国も韓国も参加しないTPPが世界の潮流であり得るはずがありません。
 また、「TPPへの参加が遅れると不利になる」との意見があります。それがウソである理由を書きます。仮にTPP交渉に参加するとした場合、参加国の多くを味方につける必要があります。しかし、現在の参加国に日本と利害が一致する国はありません。米国とシンガポールを除けば、日本は工業製品輸出国であり、農産物の輸入国です。そして、現在はデフレで失業率が高まっています。それに対して多くの交渉参加国は、農産物の輸出国であり、安価な労働力を輸出したい国ばかりです。日本とは利害が対立する国に囲まれています。そんな中で交渉に参加しても四面楚歌です。有利な条件など引き出せるはずがありません。



 工業製品の関税を撤廃し、同時に農産物の関税を撤廃することは、一見フェアなように見えますが、日本にとって、いいことはありません。現在、貿易を左右するのは関税ではなく、通貨つまり為替です。日本の輸入自動車関税はわずかに2.5%ですが、アメリカで走っている日本車の5割以上は現地生産です。ホンダは6割以上です。つまり関税とは無関係です。ただし、農産物の生産は海外に移転することはできません。
 日本をターゲットに輸出を伸ばしたい米国は、円高、ドル安を誘導し、日本に輸出攻勢をかけるでしょう。TPPに参加して、日本が輸出を伸ばせる相手国などありません。安い、しかし安全性の不確かな農産物が大量に入ってきて、日本の農業を壊滅させることになるでしょう。そのうえ、安価な労働力が日本人の雇用を奪い去ることでしょう。米国と条件闘争するなら、二国間のFTA(自由貿易協定)によるべきです。