広島市議会議員(安芸区)

本当に円安がよいことなのか

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 雨上がりで新緑が洗われ、緑が眩しく感じられます。


 昨日も米ドルやその他の主要通貨に対して円安が進みました。つい先ごろまで円高によって輸出企業が苦しんでいる様子が報道されていました。そんな中、2月14日、日銀が重い腰を上げ追加緩和に踏み切りました。しかし、本当に円安が国民にとってよいことなのでしょうか?
 きょうの日本経済新聞に興味深い記事が掲載されていました。為替介入などによって韓国が進めてきた無理なウォン安政策によって輸入物価が上昇し、2011年の年間の所得流出が65兆8200ウォン(約4兆7000億円)に達したとのことです。日本の貿易収支が赤字になったと大騒ぎしていますが、その赤字額は1兆6000億円です。4兆7000億円の所得流出がいかに大きいかがわかります。通貨安に支えられて、サムスン電子現代自動車などの大企業が輸出拡大で大幅な収益を獲得する一方で、社員の給料は上がらず、庶民は物価高に苦しんでいます。


 日本は10年以上にわたってデフレが続いています。というより、現実問題として物価は長期に安定しています。日銀の最大の使命は物価の安定です。日銀は立派にその職責を果たしてきたことになります。インフレにならないため、預貯金の金利はほとんどゼロでも庶民の預貯金の価値は下がることもありません。給料も上がっていませんが、物価は上がらず10年前の値段のままで消費ができます。


 これから円安が続けば、当然輸入価格は上昇してインフレになり、預貯金の価値は下がります。すでにイラン情勢の悪化によりガソリン価格は相当に上がりました。エネルギー価格の上昇によって、物価は上がります。その上に、円安によって輸入価格が上がるのです。円安が本当に一般庶民にとってよいことなのか冷静に考える必要があるのではないでしょうか。わたくしには、その答えが韓国にあるように思えます。


注文した本
1.「日本の税金 新版」  岩波新書
2.「外道」  かもがわ出版
 バブル期の検証の本。バブル期に政治の裏面で暗躍した実在の人物を描きます。
3.「財務省のマインドコントロール」  幻冬社
 「みんなの党」幹事長、江田憲司の著書。財務省にだまされるなと主張します。