広島市議会議員(安芸区)

ヤクザと外国人に人権はない

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。

 
 ショッキングな表題で驚いたかも知れません。この表題を選んだ理由は最期に述べます。
 注目を集めていた木島佳苗被告の裁判で死刑判決が出ました。あらためて裁判員制度についての疑問がますます大きくなりました。これほどの難しい事件を裁く裁判に素人を参加させることが正しいとは思えません。市民感覚を反映させるために裁判員制度は始まりましたが、わたくしには今でも裁判に市民感情が必要な理由が分かりません。市民感情はマスコミの誘導によって簡単に左右されます。松本サリン事件のとき、マスコミは被害者の夫を犯人と決め付けるような報道がありました。ロス疑惑三浦和義さんについても明らかに悪意に満ちた報道がされました。ほとんどの国民は彼のことを「限りなくクロ」と思っていました。しかし、「限りなくクロ」であることと有罪は全く異なります。どれほど怪しくても決定的な証拠がなければ、疑わしきは被告人に有利に裁くことが原則です。たとえば、違法な家宅捜査で有罪としうる証拠が見つかっても、証拠として採用されず、ほかに証拠がなければ有罪にはできません。


 今回の裁判で検察側は「朝起きてみたら外に雪が降っていた。雪を誰かが撒いたとは思わないだろう」などと述べました。そんな理由でひとりの人間を死刑にできるのでしょうか。わたくしは木島佳苗被告を「限りなくクロ」だと思います。しかし、それはマスコミ報道だけで判断しています。わたくしが裁判員なら、状況証拠だけでは有罪にできず、無罪と述べるでしょう。
 

 あらためて言います。素人に手術をさせるような裁判員制度を導入したことは間違っています。もし、わたくしに裁判所から呼び出しがあっても、信念に従って出頭を拒否します。法律に素人のわたくしには人を裁く能力も資格もありません。一般的には、裁判とは被告が裁かれる場であると考えられていますが、同時に警察と検察という国家権力が裁かれる場でもあります。


 最近読んだ「検事失格」(毎日新聞社)の中で元検事の市川 寛氏は自らが作り出した冤罪を告白し、いかに検事の取り調べが杜撰で強権的であるかを赤裸々に告白しています。「私が佐賀地検にいた'01年に立件された「佐賀市農協背任事件」です。この事件の取り調べの最中、私は被疑者を罵倒し、脅しあげて調書を取り、冤罪事件をつくり上げてしまったのです」はその中の一文です。佐賀市農協背任事件は控訴審では無罪が確定しています。そんな冤罪を作った警察や検察は何の罰も受けません。検事は「バカヤロー。ぶち殺すぞ」などと暴言を吐くことも日常的とのことです。表題に書いた「ヤクザと外国人に人権はない」とは検事に任官した市川 寛氏が最初に先輩から教えられた言葉だそうです。大阪地検の証拠捏造は決して他人事ではないのです。市川氏を調べていて、昨年5月に放映された報道番組を見つけました。それは、冤罪を作り出した元検事が亡くなった元被告人の遺族に謝罪に訪れる内容で、わたくしはその番組を見た記憶がありました。その映像を見て驚きました。謝罪している彼こそ著者の市川氏本人でした。
 


 国家権力は厳しく批判の眼にさらされなくてはなりません。「限りなくクロ」であっても有罪とは言えないと思います。



 注文した本
1.「下山の思想」 幻冬社
 右肩上がりの経済が崩壊した今、日本人の生き方を問います。

2.「名字のいわれ・成り立ち」 実業之日本社
 佐藤の「藤」のルーツは藤原鎌足です。

3.「物語 近代史ギリシャの歴史」 中公新書
 わたくしたちはギリシャの本当の姿を知っているのでしょうか?

4.「日本人のちょっとヘンな英語」
 中学校で習った How are you?  I am fine thabk you はすでに死語となっています。

5.「議員力検定マスター問題集」  ぎょうせい
6.「議員力検定1級選択・論述過去問題集」  議員力検定協会
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