広島市議会議員(安芸区)

ウォール・ストリート・ジャーナルが絶賛した日本の技術力

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 昨夕の雨で黄砂も洗い流されたでしょうか。


 産業タイムズ社社長、泉谷 渉さんの、日本の先端技術についての講演を聞きました。彼は半導体を追い続けてきた人物です。1977年に入社した時には、「新米は半導体でもやってろ」と言われたそうです。それほど当時は半導体の存在が小さかったということです。講演を聞いて大いに勇気づけられました。一部をご紹介します。

 
 東北大震災から1年が経ちました。警察庁の調査による今年4月11日現在の死者の数は15、856人となっています。
 地震の規模はマグニチュードは9.0でした。ほぼ同じ強さの地震による死者の数は、2004年のスマトラ沖地震で22万人、2010年のチリ大地震では30万人と言われています。


 ウォール・ストリート・ジャーナルが絶賛したのは、この死者の数の少なさです。震災直後の同紙のコラムには次のような内容が掲載されました。


 スマトラ沖地震チリ大地震と比べて東北大震災での死者の数はなんという少なさなのか。アメリカ市民よ、よく見たまえ。いかに日本の建築技術、設計技術、素材技術が優れているかを。世界ナンバー1である。

 
 ウォール・ストリート・ジャーナルは世界のオピニオンリーダーです。このコラムが世界に与えた影響は計り知れません。その後約1か月、世界のマスコミは日本に好意的でした。政権の実態が明らかになるにつれてトーンダウンしたのは当然かもしれません。
 


 日本は科学技術立国として、いまだ世界ナンバー1です。確かに、薄型テレビは韓国サムスンに完全にシェアを奪われました。ソニーでさえ世界第4位に転落しています。パソコンの分野でも日本の凋落ぶりは同様です。バブル経済華やかなりしころ、世界の半導体の50%以上を日本が生産していました。NEC、日立、東芝の御三家が君臨していましたが、その後20年間日本は韓国、台湾、中国などのアジア勢に負け続け、世界シェアは20%程度になっています。
 しかし、基になる素材はまだまだ日本の独壇場です。とくに半導体に欠かせないシリコンウエハーは世界の8割を日本が生産しています。
 東北大震災が起きたとき、福島県にある信越化学工業白川工場が壊滅しました。信越化学工業はシリコンウエハーの世界シェアは80%です。そして、この白川工場では世界の20%が生産されていたのです。シリコンウエハーがなければパソコンもテレビも携帯電話も作れません。世界の半導体業界が文字通り「真っ青」になりました。
 そのとき、世界中が日本人の不屈の闘志、モラルの高さに驚きました。同時に、世界は日本の技術がなければ何も作れないことを悟りました。そして、最初に書いたウォール・ストリート・ジャーナルのコラムになったのです。


 日本は、世界に冠たる科学技術を持っています。営々として築いてきた先人たちの力です。
たとえば、「ニッポン高度紙工業」は伝統的な土佐和紙のメーカーですが、携帯電話の絶縁コンデンサーでは世界トップです。土佐和紙の技術が立派に生かされています。
 岩手県の「いおう化学研究所」はもともと「硫黄」の研究から出発した会社ですが、素材を接着剤なしで分子レベルで接着する技術を持っています。半導体で重要な地位を占めている企業です。世界は日本の力がなければ何もできないのです。自信を取り戻しましょう。
 日本がいかにして技術を継承してきたかを改めて学ぶために、「百年企業 生き残るヒント」(角川SSC新書)、「100年企業 だけど最先端、しかも世界一」(亜紀書房
を注文しました。
 

 「原発・正力・CIA」(新潮新書)も読みます。アメリカの主導で日本の原子力政策が推進されたことを描いた本です。「鉄腕アトム」も原子力の危険性を麻痺させるためだったと書いています。また、日本の軽水炉原発アメリカのジェネラル・エレクトリック社(GE)の利益供与に利用されたとも書いています。