広島市議会議員(安芸区)

費用弁償の受け取りを拒否しました。

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 昨日は金環食で盛り上がりましたが、広島地方は曇りではっきり見えなかったのは残念でした。
 わたくしが金環食から連想するのは、山本薩夫監督による昭和50年制作の大映映画「金環蝕」です。金環蝕は金環食と同意語です。原作は石川達三です。
 公共事業にからむ汚職事件をモデルにして描いたもので、保守政党の総裁選挙もからみ、見ごたえのある重厚な映画です。この映画のオープニングの日食のシーンは強烈でした。宇野重吉の、裏の世界を操る金融業者の飄々とした演技が光りました。政財界に大きな影響を及ぼした森脇将光がモデルと言われています。
 「釣りバカ日記」では鈴木社長をコミカルに演じた三国連太郎が国会議員として登場します。厳しい質問をした陰で、矛先を収めるための「カネ」を受け取るシーンも秀逸でした。モデルは爆弾男、田中彰治と言われています。官房長官、黒金泰美を仲代達矢が演じています。そのほか、池田勇人首相や、田中角栄佐藤栄作大平正芳を思わせる人物が登場します。さらに政財界の大物やその愛人も数多く描かれ、華を添えて楽しませてくれます。中村玉緒宇野重吉の愛人として色気を振りまいています。このころの役者は実力派揃いだったことが伝わってきます。


 昨日、議会改革推進会議が開かれ、今回は費用弁償を中心に協議されました。費用弁償は、本会議や委員会、代表者会議のような、議会の公式な会議に出席したときに支払われるもので、以前は1日に一律11,000円でしたが、現在は自宅からの距離によって8,000円と5,000円が支払われています。わたくしの支給額は8,000円です。

 今回の推進会議で正副代表案として出されたのは、それぞれ5,000円と3,000円に下げるものです。平成22年度の費用弁償の総支給額は1,745万円です。これを正副代表案のとおりに減額したと仮定すると、総支給額は1,070万円になり、削減効果は675万円になります。
 わたくしは会派を代表して「この程度の小手先の削減では市民の理解は得られない。報酬の二重取りの批判がある費用弁償は廃止すべきである」と述べました。しかし、今朝の中国新聞の報道にもあるように、正副代表案を支持する会派もあり、会議としての結論は出さないことになりました。わたくしは「各派共同提案で作った改革推進会議なので、その権威を守るためにも結論を出すべきである。自分たちの意見が採用されるかどうかとは別の話である」と主張しましたが、これも採用されませんでした。



 費用弁償については、20の政令市のうち、すでに廃止したのが(古い順に)堺市大阪市さいたま市横浜市浜松市、札幌市、千葉市岡山市名古屋市京都市仙台市新潟市の12市です。可決されるかどうかは不明ですが、わたくしは議員立法で廃止条例案を提出する必要があると考えています。
 前回の会議でも、議員報酬については結論を出さないこととしました。議会改革は遅々として進んでいないのが現状です。強引との批判を受けても進めることが必要でしょう。


 わたくしは昨日会議が終わって、今月1日に遡って費用弁償の受け取りを拒否する文書を事務局に提出しました。これを広島市に寄付することは公職選挙法で禁じられていますので、法務局に供託されます。議員在職中も辞職しても供託分を受け取らないことを誓います。供託分は議員を辞職して10年後に時効となり、国庫に納入されることになります。

 注文した本
1.「政治家の裏事情」 幻冬舎
2.「報道されない沖縄」 角川学芸出版
3.「その話し方では軽すぎます」 すばる舎