広島市議会議員(安芸区)

臓器売買の現実(2)

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 今日は移植される臓器売買の実態について書きます。
 インドでは腎臓を売るケースが急増しており、ブローカーの存在が大きくなっています。貧しさのために腎臓を売らざるを得ない実態があります。インドの病院での腎移植は、アメリカのそれに比べて20分の1という値段も大きな因子でしょう。ある村では腎臓を売る人があまりに多くなったため、腎臓村と呼ばれているケースもあります。ブローカーはドナーに対して魅力的な値段を提示しますが、手付金だけを払って知らぬ顔をすることも多いようです。ドナーは教育水準が低く、契約書を交わすなどの智恵がありません。
 フィリピンでは、臓器売買がある程度合法化されています。腎移植の価格は約6000ドルの安さです。その裏でブローカーは巨額の差額を手にします。
 また、イランでは臓器売買が合法化され国家が管理しているため、臓器は十分に出回っています。ここでも、ブローカーは「移植コーディネーター」と名を変えて甘い汁を吸っています。
 悲惨なのは中国です。以前から反国家的な宗教集団である法輪功が話題になっていますが、アメリカの元国連代表とカナダの元国会議員が、法輪功信者の臓器移植疑惑について「中国における法輪功信者に対する臓器採取の報告」を著しています。
 それによると、2000年から2005年に中国で6万件の腎臓移植が行われていますが、具体的にドナーや経緯をたどることができるのは1万8000件だけで、残りの4万2000件は出所不明です。著者たちはこの4万2000件を法輪功信者から摘出されたものと考えています。長年に亘り、刑務所から多くの法輪功信者が消えている実態もあります。生きたまま臓器を摘出している、あるいは臓器摘出のための処刑も行われているとの証言も出ています。
 こうした実態の裏には、膨大な数のウェイティングリストがあります。また、アメリカでは移植手術があまりにも高額であることも一因です。臓器を買える財力の持ち主は臓器の出所を気にせず、海外で移植を受けています。
 命を金で買う時代になっています。こうした状況は今後ますます大きくなっていくことでしょう。