広島市議会議員(安芸区)

南北朝鮮軍事境界線のタガも緩んでいました

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。

 昨日は広島市のタガが緩んでいることを指摘しましたが、南北朝軍事境界線の兵士たちのタガも緩んでいました。
 韓国と北朝鮮の共同警備区域(JSA)で北朝鮮の兵士が軍事境界線を越えて韓国に亡命しました。兵士は、韓国軍の宿舎をノックしましたが、誰も気付かず、30メートル韓国側に入った哨戒所まで移動して韓国軍兵士に亡命を申し出たそうです。監視カメラがこの時間帯だけ止まっていたとのことですが、にわかには信じがたいことです。李明博大統領は「綱紀が緩んでいる」と叱責したようです。関係者の首は吹っ飛ぶでしょう。


 朝鮮半島でもっとも緊張している場所でこれほどタガが緩んでいるとは驚きを通り越して喜劇です。万一、武装した北朝鮮軍がなだれ込んでいたとしたらと考えると背筋が寒くなります。わたくしが訪れたときは緊張感と緊迫感で体が硬くなるのを感じました。戦場を経験したことのないわたくしにとって人生で最も緊張した場面でした。そこでこんなことが起きるとは。


 2000年に公開された韓国映画、JSAは入場者記録を書き換えたほどの大ヒット作でした。その中で、両国の兵士の間に友情が芽生え、共同警備区域で酒を飲んだり、音楽を効いたりするシーンが印象的でした。上官に発見されたことによって、朝鮮人民軍の兵士が韓国軍兵士により射殺される事件が発生します。現場に居合わせた目撃者の南北兵士達は「拉致されて脱出した」、「突如襲撃してきた」と、正反対の供述を行ないます。中立国のスイス軍将校が関係者に面接して真相を解明してゆく迫力は韓国映画ならではのものでした。


 韓国の退役軍人からは「南北の警備兵が親密になることは実際には考えられず、不適切な描写である」と抗議が寄せられたようです。一方、北側の兵士を人格を持った人間として描いたことから、若年層の北朝鮮への親近感を高めるひとつの原因になったとも言われています。


 それでもこんな間抜けなことが起きるのですね。タガの緩みは広島市に限ったことではないようです。