いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
昨日は寒さが和らぎました。1年ぶりに湯来温泉に投宿しました。平日ということもあって、宿泊客はわれわれのグループだけでした。ひとりで露天風呂に浸かって、隣の浴室の窓から出て来る湯煙を眺めていると、体だけでなく心も癒されました。
16日に行われた総選挙では自民党が圧勝、というより民主党の惨敗でした。得票の分析から多くの矛盾点が解ります。
今回は投票率が大きく下がりました。選挙区では59.32%と約10%も低下しました。
以下は選挙区だけに限ったことだけ述べます。300選挙区で自民党は前回の得票数2,730万票から今回の2,564万票とわずかに減少しています。これに対して民主党は前回の3,347万票から1,359万票へと大幅に減少しています。
得票率は自民党が43.01%に対して民主党は22.81%と約半分です。しかし、獲得議席数をみると、自民党の79%に対して民主党はわずかに9%です。大勝と大敗、これが小選挙区の特徴です。
広島県内の選挙区で自民党と民主党の得票数の変化をみると、以下のようになります。前回と同じ候補者同士で争った選挙区は2区と5区です。
前回 今回
(2区)平口 洋 110,238 → 109,823(ほぼ前回並み)
松本大輔 149,227 → 61,373(−87,854)
(5区)寺田 稔 93,594 → 99,842(ほぼ前回並み)
三谷光男 99,770 → 49,356(−50,414)
自民党候補はほぼ前回並みの得票だったのに対して、民主党は半分以下になっています。
他の選挙区の民主党候補の得票数は以下の通りです。
(3区)橋本博明 102,146 → 51,666(−50,480)
(4区)空本誠喜 102,435 → 53,340(−49,095)
(6区)和田隆志 133,871 → 52,543(−81,328)
民主党候補は一様に大きく減らしています。
前々回と前回は自民党、民主党に激しい追い風が吹きました。今回は自民党に追い風が吹いたというより、民主党への逆風であったことが解ります。それに第3極が追い打ちをかけました。 有権者の気持ちの移ろいが政治を混乱させている一因でもあるでしょう。こんなことを繰り返していては有能な政治家が育ちません。
自民党の人気も来年夏の参議院選挙まで続くかどうか、まだ不明です。期待が大きいだけに失望も大きいかもしれません。
18年前に当時の細川護煕と河野洋平が合意して小選挙区が導入されたとき、国民は喝采を送りました。しかし、結果はこんな矛盾を抱えています。わたくしは、小選挙区制度の導入は失敗だったと考えています。