広島市議会議員(安芸区)

当番医の危険性

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 

(11時)
 今日は節分です。災いを追い払う日ですが、わたくしは朝9時から当番医を務めています。いま、11時です。すでにインフルエンザが7人出ました(A型5人・B型1人)。さらに待合室ではゴホンゴホンと咳をする音が聞こえます。診察室や待合室はインフルエンザウィルスが充満しているでしょう。患者1人に接するごとに手洗いとうがいをしていますが、インフルエンザに感染する危険性は相当に高いと思われます。わたくしがインフルエンザに罹患すれば最低5日間休まなくてはなりません。一応インフルエンザウィルスに効果のある薬を飲みますが、今夜から明日にかけて発熱しないことを祈ります。もし罹患すれば、これって労災ですね。でもわれわれには何の補償もないのがつらいところです。


 以前、新型インフルエンザの流行が危惧されたとき、わたくしのブログへの投稿で、「あなたたち、医療関係者だけが先にワクチン接種を受けることは不公平だ」との意見がありました。こんな無知な低レベルの投稿に答える気もありませんでしたが、虚しくなった記憶があります。


(12時)
 正午になりました。インフルエンザの患者は15人(A型14人・B型1人)になりました。待合室で待っている患者の数は減りません。インフルエンザはまだまだ増えそうです。


(15時)
 患者のピークは過ぎたようです。インフルエンザ患者は17人になりました(A型16人・B型1人)。そのほかにはノロウィルス感染によると思われる嘔吐下痢症も多く来院しました。ウィルスと最近に汚染された自分の全身を消毒したい気分です。


(16時)
 インフルエンザ患者数21人(A型20人・B型1人)。
明日は高校の受験という生徒が数人いました。気の毒ですが、他人への感染の危険があるため已むを得ません。
 インフルエンザの場合の出席停止期間について書きます。2つの大切な点があります。それは、「発症後5日を経過」と、「解熱後2日」です。
 具体的に説明します。
1月1日にインフルエンザで発熱したとします。1月2日が発症後1日目となります。薬が効いて1月2日の午後に解熱しても、その後2日間平熱の日数が必要です。1月3日と1月4日が平熱でも発症後5日を経過していませんので、1月5日に登校できません。上の2つの条件を満たすのは1月6日ですから、1月7日から登校OKとなります。
 発熱の日数が長引けば、登校可能の日は後になります。
たとえば、1月1日に発熱し、1月5日の昼に解熱して6日と7日に平熱になった場合、登校は8日からとなります。


(18時15分)
 やっと、当番医としての任務が終わりました。診療した患者数66人。インフルエンザは29人(A型27人・B型2人)でした。改めてインフルエンザの猛威を実感しました。
 90%がインフルエンザを含む呼吸器感染症で、10%が嘔吐や下痢の胃腸炎でした。昨日の朝から発熱していながら、今日の夕方になって受診する人もいました。もう少し自分の健康に気配りがほしいものです。
 医師だけでなく、消防、自衛隊、警察、海上保安庁などの職員も自分の体を危険にさらしながら仕事に従事していることをご理解ください。
 

 昼食の時間もとれずに9時間休みなしの診療でした。あまりにも忙しかったため、愚痴っぽくなったことをご容赦ください。