広島市議会議員(安芸区)

恩師の死去

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 桜が満開のところもあるようです。週末には各地で花見が盛況でしょう。
 「世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」と在原業平が詠んだように、この時期は世の移ろいを感じることが多いようです。短い花の命をいとおしく思えます。


 昨日、呉市で行われたわたくしの恩師の通夜に列席しました。わたくしが研修医時代に呉共済病院泌尿器科に在籍していたときの恩師です。わたくしが在籍していたのは昭和55年から2年間でした。もう30年も前のことです。
 先生はまさに「仕事の虫」であり「仕事の鬼」でもありました。メスの切れは抜群で、研修医のわたくしには「神の手」と見えたものです。難しい手術も簡単そうにこなされました。術中の出血などの突発的な事態にも冷静に対処されました。午後から4例の開腹手術をするなど超人的な腕前でした。わたくしが在籍した2年間で先生からご指導を受けた手術は約1000例という考えられないほどの多さでした。
 一方で、仕事を離れると、なんとも可愛いおじさんでした。酒が入ると朗らかになり、宴席を盛り上げてくださいました。わたくしにとって、理想の外科医でした。
 弱った体に鞭打って、亡くなる数日前まで手術をなさっていたとのこと。享年75歳。謹んで冥福をお祈り申し上げます。