広島市議会議員(安芸区)

「男を上げた」男と「男を下げた」男

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 週末は冬に逆戻りしたような寒さになりそうです。明日は、地元の体育協会主催のバス旅行で石見銀山に行きます。


 表題に書いたように、最近、男として評価を上げた男と逆に下げた男がいます(あくまでわたくしの価値観での評価です)。
 男を上げたのはプロゴルファーの尾崎健夫です。長い交際の末、末期がんで死を目前にした坂口良子と結婚、入籍しました。ゴルフを控えて、最期は献身的に尽くしたことが伝えられました。ここまで愛を貫いた尾崎健夫、男として立派の一言です。


 反対に、男を下げたのは北野 武(ビートたけし)です。政府の懇談会である「アジア文化交流懇談会」に、映画監督として出席したことが報じられました。安倍総理の横で談笑する姿が掲載されていました。外務省所管の国際交流基金から映画制作の支援を受けた「恩返し」だということです。


 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」に象徴される毒舌や、写真雑誌フライデーを襲撃したり、飲酒後にバイクで彼女のところに行く途中で大事故を起こしたり、 アウトローとしての「毒」を持った生き方が彼の存在感でしょう。
 立川談志も同様でした。談志が国会議員になったのは彼独特のシャレでしょう。北海道沖縄開発庁政務次官の時に二日酔いで失言して辞任しました。
生前談志が語った「立川談志 最後の大”毒”演会」と題したCDは絶品でした。
 その中で、政務次官を辞任した時のエピソードがありました。曰く「翌日、屋良知事と会見があった。二日酔いだから、腹が痛いの、頭が痛いのと理由をつけて中止すればよかったのに、国会議員として義務を果たそうという変な了見を出したのがまずかった」。そのあとにさらに失言していますが、ここでは書けない内容です。「それを言ったんでまたマスコミに叩かれた。日本中を敵にするってのはあまりいいもんじゃないね」。
 ビートたけしについてはこんなことを語っていました。「高田文夫の野郎が、たけしは俺よりえらい。なぜなら、たけしには前科があると言いやがった。芸人は前科と大病を経験しないと大成しない」と。そのほか、覚せい剤の話や、女性の話など、ここではとてもかけない内容が満載でした。


 北野 武が政府側に地位を得たのは、これまでのアウトローとしての生き方を捨てたのでしょう。彼はわたくしが高く評価する芸人でしたが、わたくしの中では完全に「男を下げ」ました。
 アウトローの生き方を貫くという傾奇者には、野垂れ死にする覚悟が伴います。外務省から援助を受けたことからしても、彼にはその覚悟がなかったということでしょう。