いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
今日の朝刊に、JR鎌倉駅の発車メロディーが文部省唱歌「鎌倉」のフルート演奏に変わったという内容の記事が掲載されていました。「七里ガ浜の磯伝い、稲村ケ崎。名将の・・・」で始まる格調高い歌です。筆者は、日本人の精神の情操の根幹に響くものを持っている唱歌が歌われなくなっていることを嘆き、歌い継がれていかなければならないと述べています。
わたくしが元宇品小学校に通っていたころ、毎回の朝礼で唱歌を数曲歌ったことを覚えています。幼いころには意味も解らずに歌っていましたが、のちに意味を知って改めて曲の素晴らしさに感動したことが何度もありました。
「灯近く衣縫ふ母は、春の遊びの楽しさ語る」で始まる「冬の夜」は、作詞者・作曲者ともに不詳です。初出は明治45年3月とされています。
1番 燈火ちかく衣縫ふ母は
春の遊びの楽しさ語る
居並ぶ子どもは指を折りつつ
日数かぞへて喜び勇む
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
2番 囲炉裏の端に繩なふ父は
過ぎしいいくさの手柄を語る
居並ぶ子供は ねむさを忘れて
耳を傾け こぶしを握る
囲炉裏火はとろとろ
外は吹雪
2番の「過ぎしいくさの手柄を語る」という部分は、日清・日露戦争のことを意味しているのでしょう。戦意高揚を意図したものだとの批判がありますが、下らないことです。冬の夜の家族団欒の温もりが伝わってきます。
現在、文科省の指導では小学校の各学年で1年に3〜4曲教えるとなっています。たとえば、1年生では「海」、「かたつむり」、「日の丸」を、2年生では「かくれんぼ」、「春が来た」、「虫の声」を、3年生では「うさぎ」、「茶摘み」、「春の小川」、「富士山」などなどです。しかし、子供たちが歌っているのを聞いたことがありません。テレビアニメの主題歌のほうが魅力的なのでしょう。
わたくしが子供のころ、元宇品の灯台は有人で、幼稚園の同級生が両親とともに住んでいました。唱歌「灯台守」も好きな曲です。
1 こおれる月かげ 空にさえて
ま冬のあら波 寄する小島(おじま)
思えよ灯台 守る人の
尊きやさしき 愛の心
2 はげしき雨風 北の海に
山なす荒波 たけりくるう
その夜も灯台 守る人の
尊きまことよ 海を照らす
灯台守に感謝する心が描かれています。
「空も港も夜は晴れて」で始まる「港」はかつての宇品港のにぎわいを描いたものです。元宇品小学校の校庭にはそのことを伝える碑が建っています。わが広島にもこんなに素晴らしい唱歌があります。後世に伝えたいものです。
これからCD「決定版 唱歌ベスト30」を聞きます。
注文した本
「医療否定本に殺されないための48の真実」 扶桑社
先日、「医者に殺されない47の心得」を注文したので、こちらも読んでバランスを取っておきます。