広島市議会議員(安芸区)

在原業平はソメイヨシノを見たことがない

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 暖冬で10月にソメイヨシノが開花したというニュースがありました。わたくしは、我々にとって最もなじみ深い花である桜は日本の国花だと思っていました。ところが、調べてみると日の丸や君が代のようには法律では定められていませんでした。
 古くから皇室は紋章として菊を使っています。勲章や神社、弁護士のバッジなどにも菊が使われています。菊の紋章は日本を象徴したものと言えます。
 しかし、国民一般としては菊よりも桜に親しみを感じる方が多いと思います。皇室と庶民の感覚の違いと言えるでしょう。結論としては、菊も桜も国花として認知されているのが現状です。



 ちなみに、国鳥は朱鷺(トキ)ではなく、雉(キジ)です。これも法律で定められたものではありませんが、戦後、文部省で愛鳥思想の普及教育を進めることになり、1947年に毎年4月10日を「愛鳥日」と定めたことによるものだとのことです。


 さて、表題についてです。伊勢物語の主人公と言われ、我が国の代表的な美男子である在原業平歌人としても知られています。小倉百人一首の「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くゝるとは」や古今和歌集の「世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし」は業平の歌です。わたくしは、ここでも間違った先入観を持っていました。当時詠まれた「桜」や「花」は当然、ソメイヨシノだと思い込んでいました。ところが、ソメイヨシノは江戸末期から明治初期に品種改良で生まれた新種でした。

 したがって、万葉集古今和歌集の時代の歌人たちはソメイヨシノを見たことがなく、かれらは山桜を歌に詠んでいたのです。なんとなく、彼らの歌のイメージが違って感じられませんか?

 さきほど、広島テレビの報道番組「テレビ派」の取材を受けました。尿路結石についての解説をしました。24日(木)の16:50分から放映の予定です。