広島市議会議員(安芸区)

安佐市民病院の建替え

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 急に春めいてきました。桜の季節も間近です。


 昨日、安佐市民病院の移転建替えのための補正予算案(第275号議案)が否決されました。本会議は午前10時開会予定でしたが、会派の分裂や採決方法を巡って大幅に遅れ、午後4時開会となりました。
 会派の分裂や新聞で報道されている通りです。


 採決方法はまず、第275号議案の表決を無記名採決を求める要求が出されました。我々の会派は、これだけ市民が注目している案件を無記名で決めることは説明責任を果たすことにならないと考えて記名投票を求める対案の要求を提出しました。
 まず、無記名投票を求める要求を無記名投票で採決しました。結果は賛成少数で否決されました。次に我々が提出した記名投票を求める要求を無記名投票で採決しました。これは賛成多数で可決され、第275号議案の表決は記名投票によことが決まりました。


 記名投票はわたくしが議員になって初めての経験です。あらかじめ議員の名前が書かれている投票用紙が2枚配布されます。白い投票用紙と青い投票用紙です。賛成や反対と書く必要はありません。
 議案に賛成の議員は演壇で職員に白い投票用紙を手渡します。反対の議員は青い投票用紙を手渡します。これによって、議員の賛否の態度がよくわかります。
 結果は賛成25票、反対25票と同数でした。この場合は議長が賛否を決定します。議長は反対を表明して第275号議案は否決されました。


 わたくしは新聞報道の通り青票(反対)を投じました。その理由は以下の通りです。
1.移転反対の署名が5万4000人も集まったことでもわかるように、地元の合意ができているとは言えない。市長は地元の合意を得るための、移転反対派と対話をしていない。
2.地元を2分して、あとでしこりを残すような手法を行政として取るべきではない。
3.移転した場所(荒下地区)に賑わいを作り出すと説明しているが、病院は賑わいを作り出す施設ではない。また、移転した場合には現在地が数年間にわたって空洞化する。移転場所に別の賑わい施設を作ればよい。
4.移転場所への道路は狭く、離合できない場所もある。道路を拡幅すると説明されているが、確定していない。
5.移転場所は現在、更地であるが、土地区画整理組合が造成した上で市が約20億円(坪5万円)で買い取ることになっている。20億円の根拠が明らかでない。利権が絡んでいるとの噂もある。移転する場合には、現在地を市が安く買って造成すればよい。
 

 前日まで反対と言いながら、投票直前に裏切った議員もいました。無記名投票による採決を求めたのはこうした裏切りを隠すためです。今回の議案は市議会内部にもしこりと対立を残しました。わたくしにとって後味の悪い一日でした。松井市政のターニングポイントになるかもしれません。