広島市議会議員(安芸区)

旅芸人と乞食、この村に入るべからず

いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 日中は汗ばむほどの暖かさです。


 上方落語界の大御所、桂米朝が亡くなりました。いつか来る日だとは思っていても、いざ迎えると感慨深いものがあります。
 戦後、絶滅の危機に喘いでいたときの上方落語会を救ったのが米朝でした。米朝は消えていた噺を復活させたり、「地獄八景亡者戯(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)」や「天狗裁き」、「算段の平兵衛」のようにジグソーパズルのように「無」から組み立てたものもあります。
 故立川談志が述べたように、上方落語が現在あるのは米朝の功績です。


 かつて、芸人が「河原乞食」と呼ばれていた時代がありました。津軽三味線弾きは貧しさゆえに「軒づけ」して飢えをしのいでいました。
 川端康成の小説、「伊豆の踊子」の中には「旅芸人と乞食、この村に入るべからず」という看板があったと書いてあります。
 歌舞伎や落語界から人間国宝文化勲章の受賞者が出る現在からみると遥かな昔の話です。