広島市議会議員(安芸区)

秋風の先頭に立つ後鳥羽院

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
朝夕は涼しいというより肌寒さを感じます。昨夜は近所を散歩していると、秋の虫の鳴き声が大きく聞こえました。一気に秋になりました。
 子供のころ、宇品の広島競輪場国鉄宇品線の間には広大な草むらがありました。元宇品から自転車に乗って、えんまコオロギを採りに行ったものです。面白いように、いくらでも採れました。2〜3センチの大型の虫で、濃い褐色の光沢が魅力的でした。持ち帰って、祖父が作ってくれた大きな虫かごに入れましたが、いくら餌をやっても、共食いが起こりました。虫かごの容量によって生きられる個体数に制限があることを知ったのは、大学生のときでした。今でも、「コロコロ」という泣き声に癒されたことを思い出します。


 「秋風の先頭に立つ後鳥羽院
 これは山口県生まれの句人、宇多喜代子さんの作です。承久の乱に敗れた後鳥羽上皇隠岐で失意の時を送った寂しさがよく描かれています。
 上皇新古今和歌集を編纂したほどの歌人ですが、それだけでなく、武芸にも秀でていたようです。まさに文武両道の偉人でした。

 同様に、桜田門外の変で暗殺された井伊直弼も、天下一流の茶人であり、居合いの達人でした。歴史ドラマでは作者によっては(とくに吉田松蔭サイドから)、極悪非道の独裁者です。毀誉褒貶はあるでしょうが、直弼は国の行く末を考えた指導者でした。

 歴史に名を残すような偉人は、われわれの想像を超えたスケールを持っていたようです。