広島市議会議員(安芸区)

客を放っておいても将棋をする散髪屋の親父

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。 
 ゴールデンウィークもあと二日となりました。長すぎる休みを苦痛と感じることがあるのは仕事中毒の症状でしょうか?ゴールデンウィーク中は、日付と曜日がわからなくなりました。いずれにしてもメリハリの利いた生活をすべきことには間違いありません。


 先日、墓参をしていると、後ろから「あんた沖宗君?」という声が聞こえました。「そうです」と答えると、「わたしは散髪屋をしていた○○です」とのこと。わたくしが幼いころに通っていた町内唯一の散髪屋さんの奥さんでした。当時の面影はありませんでしたが、もう90才近くの高齢でしょう。
 聞けば、ご主人はすでに亡くなっていました。ご主人に最初に嫁いだのは彼女の姉でした。その姉が早くに亡くなったため、妹である彼女が後添えとして嫁いだそうです。
 当時の思い出話に、しばらく花が咲きました。わたくしの同級生の近況も聞くことができ、楽しい時間でした。


 この話を父にすると、その散髪屋の親父さんは将棋が好きで、客を放っておいても将棋を指していたそうです。当時の銭湯や散髪屋は社交場でした。将棋で待たされても文句も言わず、散髪が終わっても、しばらく世間話をするような事がありました。落語の「浮世床」の世界です。


 墓参のあと、しばらく町内を歩きましたが、子供の頃には大きく感じた町もほんのちっぽけなものでした。遊び疲れて腰を下ろした大きな岩も当時と同じ場所にありました。銀杏の木も大きいままでした。久しぶりに「Always 3丁目の夕日」を思い出したひと時でした。