広島市議会議員(安芸区)

こども医療費補助は院内処方と院外処方で差がつく

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 東京都の舛添知事の辞任が決まりました。遅きに失した感がありますが、ほとんどの都民の信頼を失ったからには当然でしょう。
 この一連の流れの中で、舛添知事を擁護する発言がなかったのは異常でした。彼にも業績はあったでしょうに、それを言えば袋たたきになる雰囲気です。魔女狩りの様相でした。民主党への政権交代のときも同様でしたが、全体がひとつの方向に流れるときには冷静にならなければならないことを改めて感じました。


 今日の厚生委員会で質問に立ちました。来年1月からこども医療費補助は通院が小学3年生までに、入院は中学3年生までに拡大されます。自己負担額や所得制限についてはマスコミで報道されているとおりですが、大雑把に言えば、未就学児は2割負担で、1回1000円を限度に月2回まで、小学3年生までは3割負担で1回1500円で月2回までの自己負担となります。


 わたくしが問題にしたのは、院内処方と院外処方で補助に差が付くことです。院外処方では薬剤費の負担はゼロです。しかし、院内処方の場合、薬剤費が医療費に含まれるため負担が増えます。以下は小児科医の試算です。


 たとえば、8歳児でこども医療費の一部負担金1500円までの患者が再診した場合(ある同じ薬剤を処方されたとします)。
(1) 院内処方医療機関 5220円(再診、明細書、外来管理、薬剤費、調剤、処方、薬剤情報)。3割負担なので1566円となりますが、1500円が限度なので自己負担は1500円です。
(2) 院外処方医療機関では 1930円(再診、明細書、外来管理、処方)。3割負担なので580円。院外処方なので薬剤費の自己負担はゼロです。

 2歳児でこども医療費の一部負担金1000円までの患者が再診した場合(ある同じ薬剤を処方されたとします)。
(1) 院内処方医療機関 4930円。2割負担なので986円。
(2) 院外処方医療機関 3830円。2割負担なので766円。


 同じ程度の年収の親を持つ子供が、同じ病気で同じ医療を受け、同じ薬を処方されていながら、受診する医療機関によって受ける補助が異なり、自己負担額に差が出ます。これが果たして平等でしょうか?公正で公平でしょうか?これまでのように、1回に500円が限度の負担では起こらなかったことです。 わたくしは制度設計の不備だと訴えました。来年1月に新しい補助制度が始まったら、保護者の不平や不満が起こることを指摘しましたが、市の考えは大きな混乱や不満は起きないとの見解でした。
 皆さんのお考えはいかがでしょうか?