広島市議会議員(安芸区)

豊洲移転の延期は正しいのか

 いい顔、ふやそう。
 今朝はこの夏で初めて肌寒さを感じました。数日前には夏休みも終わりました。生徒たちの夏も終わりました。


 小池東京都知事築地市場から豊洲市場への移転の延期を表明しました。その理由として、土壌汚染の安全性、費用の増大、情報公開の不足などが挙げられています。マスコミも知事と都議会の対立を面白おかしく煽り、都議会のドンなる議員の疑惑も報じられています。多くの都民も小池知事の決断に喝采を送っているような報道です。わたくし自身、怪しげな背景を考えると、移転に待ったをかけることに理解できないこともありません。


 しかし、議会に身を置くものとして、小池知事の行動が正しいのかについては疑問を抱かざるを得ません。豊洲への移転は、知事が条例を提案し、議会が承認したものです。これを知事の一存で覆すことは二元代表制の根幹を危うくするものです。そもそも議会の存在価値は、知事や市町村長などの首長を含めた行政側の独走や暴走を抑えることと、不作為を正すことにあります。そうでなければ、首長はやり放題となります。行政と立法府である議会は対等です。小池知事は都民の直接選挙で選ばれました。同様に都議会議員も選挙で選ばれました。それが二元代表制です。豊洲への移転は都民の一方の代表である議会が認めたものです。小池知事が移転を覆すのであれば、当然に議会の承認が必要となります。予め議会へ報告し、相談すべきです。
 

 内容がどうであれ、小池知事の行動は二元代表制を蔑ろにするものです。マスコミも感情論に走ることなく、冷静に報道してほしいものです。行方を見守りたいと思います。