広島市議会議員(安芸区)

米国大統領選挙の仕組み

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。


 今年2016年のように、4で割り切れる西暦年には夏季オリンピック米大統領選挙が行われます。米大統領選挙は法律によって、11月の第1月曜日の次の火曜日に行われることになっています。なぜ11月なのか。アメリカ合衆国が成立したころには、国民はほとんど農民でした。したがって、秋の刈り入れが終わってからの選挙となったようです。
 では、第1月曜日の次の火曜日の理由は何か。選挙なら日曜日というのが日本では常識となっています。しかし、キリスト教徒の多い米国では、日曜日は家族そろって教会に行き、牧師や神父の説教を聞き、聖書を読み、讃美歌を歌って、安息のうちに過ごすべき日であって、選挙のような世俗的なことに費やす日ではないと考えられています。また、18世紀ころには、皆が馬車や馬を持っているわけではなく、田舎町から投票所に行くまでに1日以上かかることも珍しくありませんでした。それが中1日置いた火曜日になった理由です。第1月曜日の次というのも、11月になって数日おいて、落ち着いてからという考えのようです。今年は11月8日に当たります。


 米国では10年ごとに国勢調査が行われ、これを基にして大統領選挙が行われます。直近の国政調査は2010年でした。人口は約3億1000万人、18歳以上の有権者は2億4000万人です。ただし、日本と違って住民票がないので、投票するためにはあらかじめ選挙人登録をしなくてはなりません。有権者の約25%は登録していないとみられています。比較的、低学歴、低所得の黒人やヒスパニックに未登録が多いようです。
 大統領選の投票率は最高でも60%程度なので、1億3000万人から1億4000万人です。これの過半数、6500万人から7000万人に支持されれば大統領選に当選できる計算です。3億1000万人のうち、22〜23%で当選です。


 米大統領選は、形式上は間接選挙です。11月8日に行われるのは大統領ではなく、537人の大統領選挙人です。537人という数字は、上院議員100人、下院議員が435人の数から算出されるもので、残り2人はワシントンDCに配分されます。大統領選挙人は各州に配分されていますが、例えばクリントンがある州で勝てば、その週の選挙人のすべてを獲得することになります。大統領選挙人はあらかじめ誰に投票するかを明らかにしていますので、事実上大統領の当選が決まります。最終的には、12月の第2水曜日の次の火曜日に大統領選挙人がワシントンに集まって投票することになります。これも複雑ですが、クリスマスの前に新しい大統領を決めようとするものでしょう。


 
 全米50州で、過去のデータから、多くの州であらかじめ民主党共和党のどちらが勝つか予測されます。カリフォルニア州ニューヨーク州ハワイ州では常に民主党が勝っています。民主党が勝ちそうな州を民主党のシンボルカラーの青からブルーステートと呼びます。逆にブッシュ親子の出身地テキサス州アラスカ州のように共和党が勝ちそうな州をレッドステートと呼びます。
 民主党共和党が勝ったり負けたりする州をスィングステートと呼びます。フロリダ、オハイオペンシルベニアネバダ、ノールカロライナ、バージニアコロラドアイオワの8州が最も激戦のスィングステートです。これらのスィングステートを獲得したものに勝利に女神ん微笑むことになります。



 さて、大統領選はヒラリー・クリントンドナルド・トランプという嫌われ者同士の醜い戦いの真っ最中です。ヒラリーは69歳。就任すればドナルド・レーガンと並んで米国史上最高齢の新大統領となります。そこでクリントンは、「米国史上最高齢の新大統領」ではなく、「米国史上最年少の女性大統領」になると主張しています。
「米国史上最年少の女性大統領」も「米国史上最高齢の女性大統領」も同じだと思いますが・・・・


スペインのミハス。白い家が立ち並ぶさまは壮観でした。