広島市議会議員(安芸区)

アストラムライン延伸の予算を削除する修正案を提出

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 3月23日で平成29年第1回定例会が閉会しました。毎年。この時期の定例会は予算特別委員会が開かれるため2月13日からの39日間の長丁場でした。

 最終日の23日に我々の会派9名のうち、8名がアストラムラインの延伸の予算を削除する修正案を提出しました。
 西風新都から西広島駅まで延伸する方針が示されています。しかし、採算性はもとより、この西風新都線は単線であること、日本で最も急こう配の6.5%であること、緊急時に一度止まると自力では動くことができず、応援の車両が必要なことなど多くの問題を抱えています。採決では賛成少数で否決となりました。
 会派の桑田恭子議員(佐伯区)が行った趣旨説明を添付します。桑田議員はこの問題についてよく勉強しており、その指摘は的を射ています。少々長めですが、ぜひ読みいただきたい内容です。また皆様のご意見を賜れば幸いです。



 提案する修正案は、新交通 西風新都路線 整備の推進についての予算額8000万円を削除するものです。

 新交通西風新都路線整備の推進(アストラムラインの延伸)については、平成28年度予算額7360万円についても削除の修正案を提案致しました。昨年度の理由としては、利用者は誰なのか、だれが望んだものかとの答弁が、事業決定に「どなたかが希望されているのかを判断材料にしたわけではない」とされている点。
 現在の利用者は、新白島駅連結で十年来微増であったものが、大幅に増えています。昨年3月の報道では、1日6万2444人とされました。この利用者が、西広島駅に連結することでさらに1万人も増えるとは到底思えないこと。
 予定通り利用者が増加したとしても、延伸による利益は年間1億2千万円です。総工費570億円、広島市の持ち出しは289億円としていますが回収には500年かかり、今後の広島市にとって大きな負担となる点を挙げました。
 平成29年度については、昨年度の理由に付け加え、整備する延伸区間の大前提が不便な単線である事。その後のルート設計においても6.5%の急こう配は、そのままであり、国の基準を下回っているとの事だが、緊急時、自力脱出はできず。最寄りの駅まで後退し、乗客を降ろし空車状態で救援車両を連結して脱出するとの答弁。大変な状況になることが予想される。単線で緊急車両が速やかに配置できるのかも含め緊急時の対応に問題があること。
 利用者の予測についても、精度の高い4段階推計法により推計したとされるが、開業時の利用者数推計も4段階推計法であり、新白島駅連結をもってしても当時見込んだ7万人には今だ至っていない。大きく利用者を見誤っており、採算性に問題がある
 財源確保について、大規模プロジェクトが平成30年代半ばから後半には収束するため確保できるとしているが、示す大規模プロジェクトは都市整備にかかる経費のみ170億円を試算したもので、財政運営方針にある大規模プロジェクトは、平成27年時点で367億円であり、市全体の動向を勘案したものではないこと。
  以上の理由により、平成29年度の事業費についても削除することを提案します。議員各位のご賛同をよろしくお願いいたします。