広島市議会議員(安芸区)

俳優の朗読力の凄さ

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 寒い日が続きます。でも春はもうすぐです。


前回書いたように、ボイストレーニングによって朗読の難しさを実感しました。朗読力を高めることは話し方に役立ちます。そのために朗読のCDを繰り返し聞いています。同じ作品でも語る人によって大きな差が出るのも面白いところです。
昨日、菊池寛の「恩讐の彼方に」を聞きました。朗読は俳優の林隆三です。
あらすじを簡単に紹介すると、殺した上に悪事を重ね、切り取り強盗にまで身を落とした市九郎が仏門に入り、了海と名を変えます。世の為になる善行を続けるうちに、毎年何人もの犠牲者を出す断崖絶壁の難所を目にします。ただひとりで岩山にトンネルを掘り始めます。最初は狂人扱いしていた村人たちも次第に手を貸すようになります。掘り始めて20年を過ぎたとき、市九郎が殺めた主人の遺児が仇討ちに現れます。了海も村人も、トンネルが完成するまで仇討ちを待つように懇願します。仇討ちを早めるために、遺児もノミを持って手伝います。それから1年半が経った夜、了海のノミが岩を突き抜きます。小さな穴から月に照らされた川が見えます。了海と遺児は手を取り合って号泣します。了海は遺児に自分を斬るように言いますが、すでに遺児は父を殺された恨みは彼方に捨て去っていました。


了海のノミが突き抜けてから、最後に至るまでの林隆三の朗読は凄まじいものでした。その迫力には身震いしました。全身総毛立つという表現が大げさではないほどでした。俳優というプロフェショナルの朗読力の凄さに感動。

林隆三だけでなく、橋爪功の朗読力も秀逸です。志賀直哉の短編、ナイフ投げの大道芸人が前に立たせた妻にナイフを命中させて死なせたのは故意かミスかを描いた「范の犯罪」、精神的に追い詰められた床屋の主人が客の喉を剃刀で切る「剃刀」、山崎豊子の、出路から船場の旦那に成り上がるまでのケチケチぶりを描いた「しぶちん」などシリアスなものからユーモラスなものまで見事な語り口です。
以前、森繁久彌による薩摩藩士の評定の場面の朗読を聞いたことがあります。5〜6人の武士が口角泡を飛ばす激しい場面ですが、それを森繁一人で演じ切りました。凄いの一言。
わたくしなど、まだまだぺーぺー。また今日もCDを聞いて勉強します。

注文した本
1.朝鮮総督府官吏 最後の証言  桜の花出版
   日本人と朝鮮人は仲良くやっていた。
2.はじめての八十歳  岩波書店
   高齢者の新しい考え方
3.医者には絶対に書けない幸せな生き方  講談社α新書
4.国家破産はこわくない  講談社α新書
5.NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草  講談社α新書
  マティス国防長官と解団した安倍総理は、スーツなのに靴はローファーだった。日本人の残念な服装を正す。
6.紀州ドンファン  講談社α新書
  美女4000人に30億円を貢いだ男