広島市議会議員(安芸区)

ネクタイのストライプの方向

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。

 
 今日はネクタイのストライプについてです。日本で最も人気があるネクタイの柄はストライプです。ストライプには、正面から見て右上がりと左上りがあります。右上がりはイギリスが発祥地で、イギリスの連帯旗のストライプからイメージされています。ややクラシックな感じですが、連隊旗から作られたことから、フォーマルな場では避けられることが多いようです。これに目を付けて、左上りのストライプを作ったのが、ニューヨークに本拠を置くブルックス・ブラザーズです。左上りはやや砕けた感じになります。ブルックス・ブラザーズは最初にボタンダウンシャツを作ったことでも知られています。やや砕けた感じ、と言いましたが、アメリカの大統領も愛用しています。リンカーンが暗殺されたときに着ていたコートはこのメーカーのものです。ジョン・F・ケネディバラク・オバマもこのメーカーのタイをよく身に着けていました。




 写真は、国際ボディランゲージ協会代表理事の安積陽子さんの著書「ニューヨークとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服としぐさ」(講談社α新書)にあったものです。2017年2月に安倍総理マティス米国防長官に会った時の写真です。安倍総理は左上りのストライプのタイです。安積さんはこの写真で安倍総理の3つのミスを指摘しています。その一つが左上りのタイです。政治の場ではクラシックな着こなしが基本なので、最も多いのは上質な無地のソリッドタイで、次に多いのがピンドットと呼ばれる細かなドットや小紋柄です。ストライプなら右上がりにすべきと述べています。しかし、わたくしは安倍総理が、アメリカが発祥の地であることに敬意を表して左上りにしたと好意的に解釈しました。安積さんによる二つ目のミスはスーツの長すぎる袖です。そして決定的なミスは靴です。最もフォーマルとされているのが紐付きで内羽根式のストレートチップです(細かいことは調べてください)。しかし安倍総理はタッセル付きのローファーを履いています。ローファーは「怠け者」の意味で、どれだけ高級でもカジュアルな装いになります。国防長官に会うときに履くべきものではありません。
そのほか、片山さつき稲田朋美の少女趣味のセンスをこき下ろしています。


 著書には、装いについて参考になる内容が満載です。政治家や実業家がこれほど厳しく査定されていると思うと冷や汗が出る思いがした本でした。