広島市議会議員(安芸区)

報道が仕えるべきは国民であって、権力者ではない。

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。久しぶりの雨です。子供の頃、カタツムリを捕まえて遊んだことを思い出します。


 昨日、時間を持て余して、一人でふらりと八丁座に入り、スティーブン・スピルバーグ監督の映画、「ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書」を観ました。時はベトナム戦争の最中。大統領はリチャード・ニクソンです。政権はベトナム戦争に勝てる見込みがないまま国民を欺き、100万人以上を投入して戦線を拡大したことを記した機密文書が保管されていました。資料作成に携わったシンクタンクの職員は内部告発を決意し、これを持ち出し、コピーしてニューヨーク・タイムズに持ち込みます。ニクソンは司法省を通じて記事の差し止め訴訟を起こします。国家の安全保障にかかわるという理由です。しばらくして同じ文書を入手したワシントン・ポストもこれを記事にすることを決めますが、同じ情報源から入手した記事を書くことは有罪となり、投獄されるリスクが大きく、社の法律顧問も掲載をやめるよう主張します。そこで掲載を決断するのが、メリル・ストリープ演じるワシントン・ポストの社主です。社主は、時の国務長官ロバート・マクナマラとは非常に親しく、苦悩します。発行の締め切りが迫り、賛否が拮抗する中、社主は発行を決断します。その緊迫感の中で冷静な決断をするストリープの演技力には感服です。トム・ハンクス演じる編集長をはじめとする幹部たちの前で決断を伝えた後、さらりと「私、眠いわ」との言葉を残して部屋を出る後ろ姿にはオーラが漂っていました。最高裁の判決は6対3でマスコミ側が勝利を収めます。
 

 最後の部分の「報道が仕えるべきは国民であって、権力者ではない」という言葉が印象的でした。マスコミを敵視するトランプ大統領を皮肉った作品でしょう。
 リーダーとは、またマスコミとはいかにあるべきかを学んだ力作でした。