広島市議会議員(安芸区)

勝 新太郎の思い出

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。
 きょうから6月定例会の一般質問が始まりました。活発な議論が期待されます。


 きょうは勝 新太郎の命日です。破天荒な生き方を貫いた俳優でした。若いころは華やかな市川雷蔵に比べて影の薄い存在でした。白塗りの美男子という評価です。それを一変させたのが極悪非道な按摩が成り上がってゆく役を演じた「不知火検校」です。勧善懲悪とは程遠い悪役を見事に演じ切りました。それに続く座頭市シリーズで地位を不動にしました。勝の座頭市は、武道経験者のような腰の据わり方が見事でした。のちにビートたけしや、香取慎吾座頭市を演じましたが、腰が据わっていませんでした。視力の健常者が眼を閉じて演じただけの印象でした。


 わたくしは、勝を接待したことがあります。もう30年も前のことになります。あるホテルのパーティーでのことです。司会は長沢 純でした。パーティーが始まって間もなく、ステージの下手から勝が出てきました。その時の会場のどよめきは忘れられないほど大きなものでした。勝は、うつむき加減で、はにかみながら歩いてきました。お世辞にもスマートとは言えない体形でしたが、放つオーラは周囲を圧倒するに十分でした。 
 

 パーティーが終わって、わたくしは車で勝と長沢をホテルに送りました。車中での彼らの会話に笑い転げた記憶があります。勝の人間性に触れた思いでした。間近で見た勝は男の色気が漂っていました。いまだに勝を超える色気を持った男性に会ったことがありません。


 また、勝は長唄三味線の杵屋勝東治の次男です。兄は若山富三郎です。勝の三味線の腕も見事でした。飲みながら即興で爪弾く三味線には聞きほれました。日本映画史に残る偉大な俳優でした。合掌。

購入した本
「破界」 徳間書店
 山口組系組員になったゴッドファーザーの末裔