広島市議会議員(安芸区)

丸山穂高議員の糾弾決議案の危険性

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

  昨日は激しい雨でした。大きな被害が出なくて一安心です。

 一昨日、衆議院丸山穂高議員の糾弾決議案が全会一致で可決されました。その要旨は、「憲法の平和主義に反する戦争発言を始めとして、議員としてあるまじき数々の暴言、事前の注意にもかかわらず過剰に飲酒して泥酔し、禁じられた外出を試みて、北方四島交流事業の円滑な実施を妨げ、我が国の国益を損ない、衆議院の権威と品位を著しく低下させた」というものです。

 ニュースでは、ほとんどの議員、国民が丸山議員の辞職が当然である旨の発言をしています。はたしてこれらの理由が国会議員の地位を奪うほどのものなのでしょうか?私にはそう思えません。

 

 同行した元島民の方が、終戦後の悲惨な体験から、戦争をしてはならないとの発言をされています。悲惨な体験の原因は、不可侵条約を破り、だまし討ちしたソ連です。略奪や暴行など非道を極めた上に、北方四島を不法占拠しているのはソ連です。政府にも、ロシアの機嫌を損ねたくないとの思惑が感じられます。

 折しも6日、プーチンは日ロ間の平和条約の早期締結は困難であると語りました。ロシアは、希望を持たせながら、突き放すことを繰り返してきました。ロシアが経済的に行き詰まり、日本に助けを求めるまで我慢が必要でしょう。

 

 1940年2月2日、立憲民政党斎藤隆夫脳梗塞の病床から登壇し、日中戦争を厳しく批判しました。このとき衆議院書記官長は職権により、演説の3分の2、約1万字に及ぶ軍部批判の部分を議事録から削除させています(新聞には全文が掲載されました)。そして聖戦を冒涜したという理由で、衆議院は斎藤を除名しました。これに先立って、同じ党所属の小泉又次郎は斎藤に離党を勧告し、斉藤はこれを受け入れました(ただし辞職は拒否)。今回、小泉進次郎議員が採決時に退席したのは祖父の行動が影響しているのかもしれません。

 

 斎藤隆夫と比べて今回の丸山議員はあまりにも低レベルであり、私も丸山議員を擁護する気はありません。しかし言論弾圧の危険性を強く感じます。それを国民が許している空気にも危うさを感じます。私なら今回の糾弾決議案に反対したでしょう。

 

 余談ですが、斎藤は1942年の選挙で大政翼賛会の非推薦ながら、19,753票で2位に約7,000票の大差をつけて当選しています。辞職を拒否している丸山議員はどうなりますやら。