広島市議会議員(安芸区)

危機管理における日米の差

 いい顔ふやそう。沖宗正明です。

  ニューヨーク株式市場の乱高下が止まりません。一昨日1100ドル以上急騰したかと思えば、昨日は逆に1000ドル近い急落です。バイデンが優勢だとか、コロナウィルスの広がりへの危機感だとか、理屈は後追いでついてきます。

マーケットの専門家によればAI主導の動きも大きな原因だとか。これまでもコンピュータープログラムによる売買で、上下へのブレの大きさが指摘されていましたが、最近ではAIの登場でこのブレが非常に大きくなっています。しっぽが犬を振り回し始めました感じです。

 

 昨夜のBSフジのプライムニュースは危機管理について論じられましたが、興味深い内容でした。日米の危機管理における差についてです。

 かつて防衛庁職員がロシア側のスパイに情報を渡していた事件がありました。この職員は自宅のパソコンに防衛に関する大量の情報を持っていました。スパイに渡したのはその一部でした。ここから日米の差が出ました。

 まずアメリカは、彼の持っていた情報がすべてロシア側に漏れたという前提で対応しました。その後、漏れていないことが確認された分野から規制を緩めました。100%の規制を敷いたのち、引き算で対処しました。

 これに対して日本は、すべての情報までは漏れていないであろうとの認識で相当に緩い初期対応を取り、その後、予想より漏れていた情報がわかるたびに規制を強化しました。50%から始めて足し算で規制を強めたようなものです。

 

 元幕僚長の一人が語った「危機管理は最悪の事態を想定して行う」との言葉が響きました。今回のコロナウィルスに対する姿勢にもこの差が現れています。戦力の逐次投入は、効果を大きく損なうことは危機管理の公理です。