いい顔ふやそう。沖宗正明です。
昨夜ほろ酔いで早めに床に就きました。深夜に眼が覚めて上の3冊を一気に読みました。おかげで寝不足です。
「弱い男」は昨年2月に亡くなった、野村克也さんの著書です。試合後のぼやきは良く知られていましたが、データを重視した名将、知将の印象でした。ところが、この中では一貫してぼやきが書き連ねられ、自ら弱さをカミングアウトています。沙知代さんが亡くなって弱気になったのが大きく影響したのでしょう。高齢の男やもめの悲哀が伝わってきます。
父親が戦死したため、幼い頃は町内で一番貧しかったと回想しています。選手として南海ホークス、ロッテオリオンズ、西武ライオンズ、監督としてヤクルト、阪神、楽天を歴任していますが、そのうち沙知代さんが原因で南海と阪神を解雇されています。
克也さんは沙知代さんのことを「ドーベルマンのような女」と表現しています。銀座のホステスから電話があると、電話を取り上げ、相手を恫喝した後、その携帯は「すぐお亡くなりになった」そうです。一体何本の携帯を折られたことか?と笑わせます。さらに彼女が語っていた経歴は全部ウソだったとも述べています。実の子どもを「拾ってきた」だなんて嘘をつく女が他にいるものかとも書いています。その一方で「野村克也―沙知代=ゼロ」とのろけています。
終わりに、「沙知代がいたから、こんな弱い自分が何とか生きて来られた。私は本当に幸せだった。」と述べた上で、「さて、どんな死に方をするかな。もう十分にいきたよ。」と結んでいます。
はじめて野村克也さんの実像に触れて、改めてその偉大さに感服です。
あとの2冊については別の機会に。