広島市議会議員(安芸区)

オリンピックの招致検討予算が否決されました。

  いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 少々寒い日ですが、確実に春らしくなっています。


 2月16日から開かれていた第1回定例会が昨日で終わりました。毎年、第1回定例会は予算特別委員会が開かれるので、40日以上の会期となります。


 さて、一昨日の予算特別委員会と昨日の本会議で平成22年度の当初予算は修正可決されました。
 修正の内容は以下の通りです。
1.2020年オリンピック招致検討事業費2,569万円の削除。
2.折り鶴の保存・展示の方法や展示施設の検討費用840万円の削除。
3.市長の海外出張費のうち、ロシアとアルゼンチン・ブラジルへの出張費を認めない形で1,494万円の減額修正。


 市民の関心の高かったオリンピック関連の予算が削られました。わたくしは予算特別委員会でこの修正案に対して反対する意図で質疑を行いました。

 市民はオリンピック開催に不安を抱いています。財源や宿泊施設、選手村、運営方法、セキュリティなど多くの範囲にわたっています。今回の予算はその具体的な検討をするためのものです。わたくしは、検討した結果をみてオリンピック開催の是非を判断しようと考えました(わたくしが所属する市民市政クラブの議員も同様です)。検討もさせないというのは議会としてはあまりにも無責任な態度といわざるを得ません。市長が議会に充分な説明をしなかったことも修正の理由の一つに挙げていますが、それは感情の問題であり、賛否とは別の問題です。内容を市民にはっきり見える形を示すべきだと考えています。


 折り鶴の保存・展示の検討費用についても同様です。検討を封じるのは議会の驕りです。わたくしは、折り鶴の保存については必ずしも賛成ではありません。しかし、これも検討内容を見て判断すべきと考えています。世界中から寄せられる折り鶴は年間10トンもあります。平成14年から8年間で合計80トン、数にして9,500万羽が数ヶ所で保全されており、一部は旧市民球場で展示されています。どのような形で保存・展示をするのか示すのが行政と議会の役割だと思います。


 市長の出張については、アメリカで行われるNPT再検討会議への出席は認められました。しかし、ロシアで諸都市を訪問して、秋葉市長が会長を務める「平和市長会議」への賛同・協力要請を行うための予算は認められませんでした。また、アルゼンチン・ブラジルで行われるAFSインターナショナル・ピース・フォーラムへの参加も認められませんでした。
 現在、「平和市長会議」には3,600以上の都市が加盟しており、2020年までの核兵器廃絶を目指しています。こうした、平和活動を議会は封じてしまいました。国際平和文化都市を標榜する広島市の議会が市長の活動を制限することになります。議会の横暴といわれても仕方がありません。


 わたくしはこの修正案に反対(つまり原案に賛成)しましたが、修正案が可決されました。しかし、昨夜、秋葉市長はこの修正案を「再議」にかけることを表明しました。「再議」とは可決された予算や条例について異議があるときに市長が議会に再考を求める制度です。現在の広島市議会議員の中で再議を経験した議員はおりません。これほど珍しい「再議」はむやみに乱発すべきものではありません。「再議」のために、3月31日に臨時議会が開かれることになりました。

 「再議」では、先に可決された修正案を確定させるためには出席議員の3分の2の賛成が必要となります。3分の2に届かなかった場合には、原案を諮ることになりますが、新たな修正案が提出される可能性もあり(この場合には過半数の賛成でよい)、先行きは不透明です。

 3月31日に決着がつかない場合は、予算が執行できません。そうなると市民に多大な影響が出ます。わたくしは議員として市民に迷惑を及ぼさないよう努力します。あと5日間で広島市の行方が決まります。安芸区の議員でこの修正案に反対したのはわたくしだけでしたが、信念をもって行動します。


 
 
 3月25日、予算特別委員会での質疑。質疑は議員側(修正案の提出者)に向いて行います。
 
 
 3月26日、本会議場でのスピーチ。