広島市議会議員(安芸区)

太陽光発電システムの負の側面

 

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 暖かい日です。この時期の、春の香が漂うやや寒い風が好きです。


 3月11日の予算特別委員会での経済環境関係で太陽光発電を取り上げました。国は太陽光発電を推奨しており、太陽光発電は環境に優しいクリーンエネルギーとしてもてはやされています。


 試算によれば、新築の場合、出力3.5キロワットの太陽光パネルの設置経費は185万円です。コスト回収は国の補助や電力会社による余剰電力の買い取り、電気料金の節約などで約10年と言われています。既存の住宅に設置する場合には225万円、コスト回収には最長で15年です。

 このように太陽光発電はいいことずくめのように思えますが、わたくしには少し気になることがあります。
まず、太陽光発電はコストが高いことです。他の発電方式のコストを以下に書きます。数字は1KW時あたりの発電費用です。

 太陽光:48円
 水力:8.2−13.3円
 石油:10.0−17.3円
 石炭:5.0−6.5円
 原子力:4.8−6.2円
 風力:10−14円

 太陽光発電のコストが飛びぬけて高いことが分かります。

 
 もうひとつ気になることは、余剰電力の買い取りです。太陽光発電による余剰電力は電力会社が1KW時あたり48円で買い取ってくれます。これは「エネルギー供給構造高度化法」に基づいて昨年11月から、余剰電力を従来の2倍で買い取ることになったことによります。2月26日の中国新聞の記事によると、1月末時点で売電の契約は中国地方全体で5万件を超えました。中国電力は、この5万世帯から自社で発電するよりはるかに高い電力を買わされていることになります。


 この費用はどこから捻出されるのでしょうか。答は、太陽光発電を行っていない世帯が分担するのです。わたくしは、この構図は不合理ではないかと質問しました。


 答弁は以下の通りです。
 「電力会社は余剰電力の買い取りの要した費用を「太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)」として、電気料金に上乗せして一般家庭から広く負担を求めることにしている。この上乗せ額は、国の試算によると、一般標準家庭で月額数十円から100円程度になる。太陽光発電システムを設置していない世帯に負担が生じることになるが、買い取り制度を導入した国では急速に太陽光発電が普及している現状を踏まえ、我が国においても買い取り制度が必要と国が判断したものである」 
 皆さんはどうお考えでしょうか?

 
 この10年間CO2は毎年2ppm増加しているにもかかわらず、地球全体としては気温は上昇していません。わたくしは、地球温暖化対策とは、CO2を削減することが目的ではなく、石油や石炭などの化石燃料から再生可能な代替エネルギーへの転換だと捕らえています。そして、その主役は太陽光発電ではなく「太陽熱発電」だと考えています。「太陽熱発電」は簡単に言えば、集めた太陽光で暖めた水蒸気を使ってタービンを回して発電する方法です。太陽光発電と異なり、日没後でも発電できる利点があります。現在第4世代になっています。そして、この分野でトップを走っているのが日本です。アフリカのサハラ砂漠内モンゴル、オーストラリアなどがその候補地として挙げられています。


 われわれの後に続く世代には、限りある化石燃料より無限の太陽熱が恩恵をもたらしてくれるでしょう。