広島市議会議員(安芸区)

ベトナムでの日系企業の貢献

 いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 昨日は、重い内容になってしまいました。今日はベトナムの工業団地について書きます。
5月18日、アマタ工業団地と、タントゥアン輸出加工区を視察しました。
アマタ工業団地は、タイが70%、ベトナムが30%出資しています。これは社会主義国のため、全額を外資が出資することが法的に規制されているためです。700ヘクタールのうち、すでに500ヘクタールが契約済みです。ホーチミン市から30km、タンソンニャット国際空港から39kmと絶好の立地条件です。土地のコストが安く、自家発電により電力供給も不安がありません。工業用水も十分に提供されています。また、ベトナム南部は地震と台風の心配がないことも有利な条件です。この工業団地では128社中60社が日系企業です。


 タントゥアン輸出加工区はアマタ工業団地にほぼ接しています。こちらは台湾が70%、ベトナムが30%出資しています。進出した171社中、日系企業は66社を占めています。どちらも中国系企業が進出していないことが印象的でした。ベトナムは中国を警戒しているようです。これまでの歴史から考えても当然でしょう。


 さて、進出した日系企業は地元から高く評価されています。日経企業は労使契約を守り、雇用保険医療保険も加入させます。工場長をはじめとした幹部は従業員と一緒に食事します。日本以外の企業では幹部が従業員の食事代をピンはねすることさえあるそうです。日系企業で働くことがステイタスになっているようです。平均給与は月額約1万円です。


 日系企業として、福山合成とミシンメーカーのジューキを視察しました。
福山合成は福山市に本社を置き、主に自動車関連の部品を作っています。6割がマツダ向けだそうです。高い技術を誇っています。
 毎年、現地採用の職員を3〜5人福山本社へ派遣して、幹部職員候補として3年間研修させるそうです。
 


 わたくしが驚いたのはジューキでした。日本の家庭ではミシンを見ることがなく、ミシンメーカーが海外進出する意味が分かりませんでした。しかし、ジューキは工業用ミシンに活路を見出しています。ファッション関係や車のシートの縫製など、工業用ミシンの需要はなくならないとのことです。写真は撮ることができませんでしたが、家庭用ミシンと同じくらいの大きさのミシンのボディーがありました、重量は25kgだそうです。工業用ミシンは高い強度が求められます。支店長は、「自動車のエンジンと同じくらいの強度が求められる。家庭用ミシンと比べると、大衆車とF-1くらいの差がある」と語っていました。日本のミシンはまだまだ滅んでいません。


 
 2社ともに、現地採用の従業員たちが笑顔であいさつし、きびきびと働いていました。日本の企業の技術と理念は素晴らしいことを改めて感じました。


 そんな日系企業の悩みを一つ。毎年旧正月で従業員たちは帰省します。しかし、そのうち1〜2割が会社に戻ってこないそうです。

 
 ジューキ。
 
 タントゥアン輸出加工区の責任者。台湾人です。
 
 福山合成。
 
 以下は福山合成の工場内。