広島市議会議員(安芸区)

韓国人は失業者になろうとしてもなれない

いい顔、ふやそう。沖宗 正明です。


 韓国との通貨交換(スワップ)協定を延長せず、今月末に打ち切ることが報じられています。スワップの枠は、昨年10月に、それまでの130億ドルから700億ドルに広げたばかりです。1ドル約80円として、700億ドルは5兆6000億円となります。韓国が通貨危機つまり、ウォンが暴落したときには、ウォンを印刷すれば日本は5兆6000億円と交換するということです。通貨危機が起こる確率は日本より韓国のほうが圧倒的に大きいので、この協定は韓国を助けるためのものです。しかし、李明博大統領をはじめ、韓国人たちは全く感謝していないようです。



 ウォン安は1997年のアジア通貨危機とその後のIMF国際通貨基金)の管理が契機になっています。これに2008年のリーマンショックが追い打ちをかけました。IMFの管理により韓国では日本式の過当競争からアメリカ式の寡占市場化へと強制的に変換させられました。具体的には、家電業界はサムスン電子とLG電子の2社だけに、自動車産業現代自動車とその子会社の起亜自動車だけになりました。その結果、価格競争は起こらず、国民は高い価格を強いられています。しかし、最も大きな問題は、韓国の大企業が外資に支配されていることです。アジア通貨危機の時にウォンと株価が同時に暴落したために、バーゲンセールとなった大企業の株が外資に買い占められたのです。先に述べたムスン電子は外国人が過半数の株式を所有しています。現代自動車や最大手の鉄鋼メーカー、ポスコも株式の50%弱を外国人が所有しています。メガバンクである国民銀行新韓銀行も株式の過半数を外国人が所有しています。その結果、アメリカと同様に企業は株主への配当を優先させることを求められて、従業員の給与は低く抑えられています。毎年4月前後には外国人への支払いが急増するために、韓国の所得収支は大幅な赤字になります。企業にとっては、配当が増えても安い労働力さえあれば利益は出せます。外資系企業にとっては痛くも痒くもありません。従業員を大切にする日本企業との大きな違いです。
しかも、ウオン安のため輸入品の価格は高騰し、国民はインフレに苦しんでいます。たとえばガソリンの価格は日本並みです。


 2012年4月の韓国の失業率は3.7%で日本の4.5%を下回っています。しかし、実態は大きく異なります。若者と女性が経済活動に参加していません。15歳から24歳までの経済活動率は25.4%です。つまり残りの75%は経済活動に参加していないため、失業率にカウントされないのです。OECD加盟国の平均の経済活動率48.5%(日本もほぼ同様)に比べていかに低いかがわかります。働きに出ない人やアルバイトすらできない若者が多いということです。この状態を称して「失業者になろうとしてもなれない」となります。
さらに韓国は米国とのFTA(自由貿易協定)により、富と雇用を奪われています。


 日本で起こっているデフレも輸入価格が下がるというメリットもありますが、健全な経済は緩やかなインフレを伴うものです。TPPで安い輸入品や労働力が入ってくればますますデフレは進みます。「韓国を見習え」とか「TPPに乗り遅れるな」などと、経団連をはじめとした企業家は主張します。それはアメリカ式の考え方です。
 こんな韓国を見習うより、むしろ他山の石とすべきでしょう。