広島市議会議員(安芸区)

スペイン・カタルニア自治州の反発

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。


 スペインのカタルニア自治州の自主独立を問う住民投票が行われました。独立賛成が9割を占め、州政府は独立宣言する方向です。一方で中央政府はこの住民投票憲法違反として認めておらず、混乱は長引きそうです。

 昨年、わたくしは4回目のスペイン旅行をしました。毎回新しい感動がありますが、今回は特に歴史的な遺産を訪ねました。かつてイスラム教徒に占領されたにも関わらず、主権を回復してもイスラム文化を破壊せずに、自らの文化に融合させていたのは驚きでした。その典型はグラナダアルハンブラ宮殿です。イスラム文化に特有の幾何学模様は見事でした。グラナダはイザベル女王が主導したレコンキスタの最後の戦いとなった場です。レコンキスタは国土回復運動と呼ばれますが、最後までイスラム教徒が抵抗したのがグラナダです。また、コロンブスが新大陸へ向けて出発したのもグラナダでした。ちなみにグラナダとは「ざくろ」の意味です(カクテル用のグレナデンシロップはざくろの味です)。

 カタルニア州は独立を目指すほどですから、スペイン政府に憎悪感を持っていることを露骨に感じました。たとえば言語です。いわゆるスペイン語と呼ばれるのはカスティリア語です。カタルニアでは別個のカタルニア語を持っています。両者は全く異なるため、全然読めませんでした。看板は最も上がカタルニア語で書かれています。その下に英語、さらに下にスペイン語カスティリア語)の順番です。「ここまでやるか」と興味深く見ましたが、今回の経緯を見ると、同州の中央政府に対する反感はわたくしの予想をはるかに超えていました。内戦にまで発展しないことを願っています。