いい顔ふやそう。沖宗正明です。
新しい令和の世を寿ぎます。
昨日、東広島市高屋にある仙石(せんせき)庭園を訪れました。この庭園はわたくしの母校、岡山大学医学部の先輩である山名征三先生が、私財を投じて15年の歳月をかけて造営した日本庭園です。素晴らしいという表現では言い尽くせないほどでした。わたくしが行くことを職員からお聞きになって、山名先生ご自身が案内してくださいました。
園内に配置された石はすべて国内のものです。素人のわたくしが「中国の石はないのですか?」と尋ねると、先生すかさず「中国の物は小石です」とバッサリ。確かに、かつて訪れた石林は石自体が美しいわけでもなく、石の配置を見せるでもなく、ただの石の山でした。
園内には巨石が見事に配置されています。中には20トンを超えるものもあります。入口の傍にある神石殿の木材も見事です。岡山県新見市で伐採された樹齢400年の杉です。トイレのドアさえも一枚板です。
これほどの庭園があることを知らなかった不明を恥じます。同時にこれほどの庭園を私財を投げ打って作った山名先生に敬意を表します。
最後に、園内には石の偽物が展示されています。プラスティックに昆虫を閉じ込めた琥珀や西安付近で採れる印鑑用の鶏血石(けいけつせき)、直径10数センチの球体のプラスティックの中にレーザーで龍を刻んで水晶に見せかけているものなど舌を巻くほどの出来栄えです。ロシアで琥珀を買わなくてよかったと心底思いました。しかし、中国で水晶(もちろん偽物です)を買い集めた苦い過去は告白できずに帰りました。
皆様もぜひお出かけください。とくに雨の日はお勧めです。場所は近畿大学の傍です。カーナビでは東広島市高屋町高屋堀1398でOKです。電話は082-434-3360。ボランティアガイドも予約できます。
神石殿
白い線は石英。
元宋の赤と呼ばれます。これを削って岩絵の具として利用します。
中の小石が動き回って 自然にできた穴。
カメの甲羅に見えます。
モミジは紅葉より緑が美しい。雨が降れば石もモミジもさらに映えるでしょう。
右前方の富士を見ながら、まさに大名気分。
東京オリンピックのため放出された寛永寺の徳川家灯篭。当時は従五位以上の神社に払い下げられたとか。
この紋所が眼に入らぬか!!!
岩の上にカメレオンが乗っています。
これも白い部分は石英です。茶色の部分は放散虫というプランクトンが大発生して堆積してできたものです。放散虫は赤血球ほどの大きさです。
京都の紅加茂
サンゴでできた石。
滝の両脇に20トン以上の岩を配置して、重量を受け止めているとか。
こんなところで水の流れ落ちる音を聞きながら傾ける杯は旨いでしょう。
佐伯区砂谷の石。
白い部分は石英。
神石殿を望む。
なんとも言えない赤。
大門は一枚板です。節まで素晴らしい。
牡丹の香りが漂っています。
神石殿の展示物。
盆石の数々。城と引き換えたこともあるとか。
休憩室の椅子さえ黒檀製。
神石殿の床も一枚板。
立派な柱。ガイドの長尾隆司さん。左の水晶は40kg。
床柱はカエデ。超レアもの。
模造品。中国人は何でも作るとか。
高さ20センチもの巨大琥珀。もちろん偽物。