広島市議会議員(安芸区)

医学、医療はいつの時代でも発展途上です

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 さわやかな朝です。こんな朝には元気が湧いてきます。しかし、新たに入学や入社した方には急激にモチベーションが低下する、いわゆる「5月病」が忍び寄っています。がんばってください。
 さて、医学、医療はいつの時代でも発展途上です。完成された到達点はありません。わたくしは昭和63年4月に急性肝炎に罹り、入院しました。肝機能を表す血液中の酵素、GOTとGPTがともに約4000まで上昇しました。正常値はともに40ですので100倍に上昇したことになります。黄疸で顔はまさに「真っ黄色」になりました。体全体に鉛が入っているような激しい倦怠感と食欲不振を記憶しています。原因はA型肝炎ウイルスによるものでしたので、約3週間で退院できました。当時は、現在問題になっているC型肝炎という概念は存在しませんでした。A型でもなくB型でもない肝炎という意味で「非A・非B肝炎」と呼ばれていました。その後C型肝炎ウイルスが発見されるまで、この呼び方が続きました。将来新しい肝炎ウイルスが発見されるかも知れません。鳥インフルエンザもつい最近まで考えられないものでした。このように常に医学は常に進歩し続けます。
 また、治療についても同様です。現在では胃癌や大腸癌、前立腺癌など内視鏡で手術できるようになりました。腎臓結石や尿管結石も20年前までは体にメスを入れて取り出していましたが、現在では衝撃波で結石を砕いて、尿とともに体外に排出させる治療法が確立しています。戦後しばらく結核が猛威を振るいました。この頃の治療には肺の安静を保つために肋骨を数本切り取って肺を縮める方法や、胸郭の中にピンポン玉を充填して肺を縮める治療法が行われました。当時はこうした治療が最先端だったのです。もちろん現在ではこんな治療法は行われていません。
 このように医学、医療はいつの時代でも発展途上です。ですから医療には限界があります。そして、同じ薬を同じ病気の患者さんに投与しても効果に差があります。副作用が出る方と出ない方があります。医療は不確実性も持っています。それこそ、人体の持つ奥深さの表れではないでしょうか。