広島市議会議員(安芸区)

「小さく産んで大きく育てる」は過去の話


 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 今日、平成20年度予算特別委員会の厚生関係の質疑で質問に立ち、妊婦検診の重要性を指摘しました。近年、日本の赤ちゃんの体重が少なくなっています。そしてこれが成人病(生活習慣病)の予備軍になる危険性があると指摘されています=成人病胎児期発症説です。子宮内で発育が遅延した胎児は、成人後に肥満や生活習慣病を高率に発症することが明らかになったそうです。つまり、胎生期の低栄養が成人後の肥満、糖代謝異常、脂質代謝異常、高血圧などを高い頻度で発症させ、最終的に心血管障害による死亡率が高くなるのです。1944年オランダは戦争の影響で大変な飢餓状態になりました。この頃生まれた子はそれ以前の子に比べて、生下時体重が約200グラム少なく、高率に成人病を発症し、心血管系の病気での死亡率が高かったという統計があります。現在の日本でも同様のことが起こっています。2,500グラム以下の低出生体重児は1980年までは減少していましたが、それ以降急増しており、現在では約9.6%まで増加しています。約10人に一人です。満期産の生下時体重は、1980年で3,194gでしたが、2003年には2,982gまで低下しています。若い女性の多くが過度のダイエットをしています。20-39歳の女性は平均1,600カロリーしか摂取していないそうです。これは終戦直後の1900カロリーを大きく下回っています。現在の日本人女性は摂取カロリーの面では飢餓状態といえます。カルシウムの摂取量は必要量の70%です。これでは若いうちに骨粗鬆症になります。過度のダイエットは本人にも胎児にも悪い影響を与えるのです。妊婦検診はこれまで2回まで無料でしたが、7月からは5回まで無料になります。妊婦の方は赤ちゃんのためにもしっかり食べてください。