広島市議会議員(安芸区)

裁判員制度の問題点(6)

 
 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 秋の訪れを感じる頃になりました。
 さて、今日は裁判員の問題点として手抜き審理が横行し、真相が究明されない可能性があるということを指摘します。
 裁判員をくじで選ぶ以上、こんな人に裁判をやらせて大丈夫だろうかというような人も出てくるでしょう。著しく能力に劣る人やマナーの悪い人も交じるでしょう。先ごろ起こった秋葉原無差別殺人事件の犯人のような人物でさえも選ばれる可能性も否定できません。審理が長引くと帰宅したいために早く切り上げることもあるでしょう。プロ野球の試合を見に行きたい人もいるでしょう。こうした不満を抑えるために裁判官は、これまで 10回かかっていた審理を数回以内に抑えようとするでしょう。したがって、重大事件の裁判は手抜き裁判になる可能性が大きくなります。今年6月17日に死刑に処せられた宮崎 勉についての精神鑑定は3者3様でした。このような高度な判断を要する事件を素人が裁けるはずがありません。テレビのワイドショーなどの報道によって、思い込みも起こるでしょう。松本サリン事件では第一通報者の男性がマスコミから犯人扱いされました。その男性は被害者のご主人でした。先日、被害者の女性がなくなり、あらためてマスコミと警察というふたつの権力の巨大さと横暴ぶりを実感しました。また、昨年高松市で起こった女児2人とその祖母の殺人事件では、あまり見栄えの良くなかった女児たちの父親を犯人と断定した人が、わたくしのまわりにも大勢いました。「こいつには前科があるから」だとか、「目つきが悪いから」とかで有罪にしたり、涙ながらに無罪を訴える被告人の演技や、弁護士の爽やかな弁舌によって無罪にしたり、直感による判断が優先され、冤罪や誤審が多発するでしょう。モーニングショーでコメンテーターを務めている作家の室井祐月は「わたしが裁判員に選ばれたら、イケメンなら絶対無罪にする」と述べて笑いを取っていました。この程度の人物を出演させるテレビ局にも問題がありますが、こんな発言が問題にならないのも社会が裁判員制度の重大さを認識していないからでしょう。裁きたくない、裁くことができないと思っても辞退できず、評議では必ず意見を述べなければなりません。そんな嫌々ながら参加する裁判員が真剣に審理するとはとても思えません。自信がないと言う医者に手術をしてもらう気になるでしょうか。


 ニューヨークのエンパイアステートビルから眺めたマンハッタン


 ブルックリンからマンハッタン方向を眺める。


 マンハッタンのブルックリン橋。1883年に完成した全長1.8kmの橋です。


 世界貿易センター。9.11テロで崩壊しました。
 (世界の夜景から)