広島市議会議員(安芸区)

裁判員制度の問題点(7)

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 さわやかな朝です。いよいよ秋です。
 今日は裁判員の問題点として、裁判員に動員される国民の負担が大きすぎることも指摘しておきます。被告人が自白し、証拠も揃っているような事件なら3日程度の審理で終わるでしょうが、冤罪も含めて否認しているような事件や高度な判断を要する事件では、10日以上を要するでしょう。そうなると、土日を除いて、2週間拘束されます。小規模な企業主なら納期が遅れたり、発注元からの信用を失ったり、多大な損害を蒙ります。とても1日1万円程度の日当では間尺に合いません。正規雇用でない方は職を失う可能性もあります。裁判員法には裁判員としての職務を果たすことで不利益を蒙ってはならないと謳われています。しかし、現在の日本の経済情勢の中でどれほど守られるか疑問です。また、金にならない刑事裁判に弁護士が他の案件を放り出して10日間もスケジュールを空けるなど非現実的な話です。そうなると、さらに裁判が長引くことになります。推進派の本の中には、「忙しいと言う会社員や経営者でも、365日働いているわけではなかろう。自分や家族が裁判員に選ばれたので、それを機会に店を3−4日閉めることも働きすぎの日本人にとっていいことではないだろうか。」とか、「開業医にしても1年中診療しているわけではあるまい。予め代診を頼むとか休診にすればよい。そのとき裁判員任務のため休診しますと張り出しておけば、ゴルフや海外旅行に行ったと思われなくて良い。」などと書いてありました。この不景気の中に懸命に働いている方に対して侮辱するような内容でした。
 なぜ、このような大切な法律を作る前に国民の意見を聞かないのでしょうか。なぜ、憲法違反の疑いありと法曹関係者からも指摘されているのに、強引に国民に押し付けるのでしょうか。なぜ、刑事事件、その中でも死刑や無期懲役などの重罪に該当する事件だけに絞るのでしょうか。裁判員に対する脅しや身の危険はないのでしょうか。わたくしには、こうした疑問と不満は募るばかりです。