広島市議会議員(安芸区)

福島県立大野病院での帝王切開死の無罪確定について

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 昨日福島地方検察庁が控訴を断念し、大野病院事件は無罪が確定することになりました。この事件は刑事訴追すること自体に無理がありました。事件から2年も経って、富岡警察署は証拠隠滅も逃亡の恐れもない加藤医師を逮捕しました。マスコミには報道されていませんが、福島県警はこの富岡警察署の逮捕を表彰までしていました。警察にはこれほど高度な判断をできるだけの能力はありません。医療界は国家権力の横暴を感じています。事故調査報告書を読むと加藤医師は困難な状況に立ち向かい全力を尽くしています。それを結果が悪かったからといって逮捕されたのです。報道されているようにこの事件以来、産科医療を含めては崩壊しました。さらに崩壊は救急医療にまで及んできました。重症患者を受け入れなくなっています。結果が悪ければ逮捕されるなら、あえて危険を受け入れなくなっています。これは日本国民全体が受け入れなければならないことです。警察、検察という国家権力が犯した過ちが日本の医療を崩壊へ向かわせる一翼を担いました。医療は不確実です。同じ薬を使っても効果や副作用は個人差があります。同じ手術を行っても結果に差が出ます。そして医療には限界あります。どんなに力を尽くしても不幸な結果になることもあります。100%安全な医療はありません。その中で医療にたずさわる者は謙虚に患者さんに向かわねばなりません。今回の事件が残したものはあまりにも大きかったと思います。