広島市議会議員(安芸区)

教育立国フィンランドの光と影

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 北欧のフィンランドといえば「森と湖」の国です。OECDの学習到達度の国際調査では、科学的応用力で首位、他の分野でも上位の「教育立国」として知られています。しかし、そのフィンランドにも影があります。
 今年9月23日、カウハヨキ職業訓練専門学校で男子生徒が銃を乱射して10人が死亡し、男子学生は犯行後自殺した事件がありました。。
 昨年11月にはヘルシンキ郊外の高校で同様の乱射事件があり、8人が死亡しています。フィンランドでは18歳以上の男子に徴兵制が布かれていますが、銃保有率は国民1人あたり1丁で、国民1人あたりの銃保有率はアメリカ、イエメン、スイスに次いで4番目に高くなっています。この国では、親の同意があれば15歳から銃を購入できることもその一因です。古くから根付いてきた狩猟民族の特性かも知れません。子どもの暴力事件も多発しているようです。前に書いた神奈川県立神田高校の入試のように、教育を点数だけで評価することは危険だということを改めて感じました。
 余談ですが、隣のスウェーデンも福祉の国のイメージがありますが、この国の外貨獲得の大きな部分を武器輸出が占めていることはあまり知られていません。福祉という光の当たる分野の裏の影の部分です。
 いま日本は財政赤字に喘いでいますが、世界に冠たるハイテクを利用した武器輸出をすれば多大の外貨を稼ぐことができます。しかし、平和国家として武器輸出に手を染めないことが日本の良心なのでしょう。そこが、紛争するふたつの当事国の両方にさえ武器を売る中国とは違う日本のすばらしい点です。われわれ日本人はこのことに誇りを持つべきです。