広島市議会議員(安芸区)

WBC(ワールド・ベースボース・クラシック)の幻想

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 昨日は瀬戸内を車で走りました。小島の間を小船が走り、海面は太陽を反射し、風は頬に心地よく吹いていました。改めて瀬戸内海の美しさに魅入られました。
 WBCという言葉からみなさんは何を連想するでしょうか。ボクシングファンのわたくしはWorld Boxing Comittee、つまり世界ボクシング評議会を連想しますが、多くの方は先ごろ日本の連続優勝で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシックを連想されると思います。
 韓国との決勝戦で決勝打を打ったイチローの、打席での気迫は鬼気迫るものがありました。また、レフト内川の超ファインプレーやダルビッシュ有や岩隈を始めとした投手陣の活躍も素晴らしかったと思います。韓国でもオリンピックに劣らないような熱烈な応援が繰り広げられていました。しかし、地元アメリカでの反応は実に冷たいものだったことはあまり知られてはいません。3月22日に行われた日本対アメリカの準決勝戦のテレビ視聴率は関東地区で28.7%であったのに対してアメリカではわずかに2.2%でした。アメリカでの試合開催時間は夜のゴールデンタイムであるにも関わらず、この低い数字はアメリカではWBCへの関心がほとんどなかったことを意味しています。大リーグのプレーヤーはケガで試合に出られなくなった場合に備えて年俸を補償する保険に加入しています。しかし、保険会社はWBCを保険の対象としていないため、選手は本気でプレーしません。アメリカの選手が気の抜けたような怠慢プレーを見せたのはこのためです。WBCでの投手の投球数制限も保険会社が故障のリスクを回避するためのものでした。日本では実力でも世界の頂点に立ったような報道がなされていますが、WBCはアメリカでは大リーグ開幕前のオープン戦であり、全力で戦うに値しないイベントでした。