広島市議会議員(安芸区)

静岡県知事選挙と静岡空港のお粗末

 いい顔、ふやそう。沖宗正明です。
 いよいよ暑くなってきました。夏ですね。
 昨日投開票が行われた静岡県知事選挙で、民主党推薦の川勝平太さんが当選しました。自民党公明党が推薦した候補との差は約1万5000票でしたが、民主党系の候補がもう1名立候補して33万票を獲得しており、与党候補は惨敗と言えるものでした。
 さて、静岡県の前知事、石川嘉延氏は静岡空港の立ち木問題で辞任したと言われていますが、実際はゼネコンとの黒い噂のためだというマスコミの噂もあります。今年6月4日にオープンした静岡空港の正式名は「富士山静岡空港」です。全国で第98番目の空港です。この空港についてはオープン前から経営が危ぶまれていました。静岡県が最初に国土交通省に空港設置許可申請をした1995年に発表した利用者予測数は年間178万人でした。これが5年後の2000年7月には121万人に、さらに5年後の2005年4月には106万人に下方修正されています。同空港の定期便は札幌、福岡、沖縄の国内3路線とソウルへのチャーター便の4路線です。これらの便のすべてが満席となったとしても1日に1910人、年間69万7000人にしかなりません。すべてが満席になるなどとても考えられません。それを106万人とは・・・・。しかも、同空港は福岡便についてはJALと「搭乗率保証」契約を結んでいます。これは搭乗率が70%を切ると差額を県が補填するというものです。6月末の搭乗率は平均59.6%ですから、このペースが続けば1年間に3億5000万円もの税金を投入することになります。ドル箱と言われる羽田―福岡便でさえ平均搭乗率は65.3%です。開港当初で59.6%ですからさらに低下すると思われます。静岡県民はこの負担に耐えられるのでしょうか。
 富士山静岡空港を他所のことと見ることはできません。なぜなら広島市西区観音にある広島西飛行場も同様です。現在、鹿児島と宮崎の2路線しか定期便が飛んでいません。そして、この2路線の赤字を広島市広島県が毎年6億円も補填しています。わたくしは、もはや広島西飛行場の使命は終わったと考えていますが、皆さんはいかがでしょうか。来年には茨城空港がオープンし、日本全国の空港の数は99にもなります。この狭い国土に99もの空港が必要なのでしょうか。国土面積に占める空港数はイギリス、ドイツに次いで第3位。日本の空港数は1万平方キロメートルあたり2.6です。広大な国土を持つアメリカでも2.0に過ぎません。山陰の鳥取県には鳥取空港米子空港があります。この間の距離は約100キロメートル、車で1時間です。米子空港から車で1時間のところには出雲空港があり、さらに同じ島根県内に石見空港があります。山陰だけでも4つの空港があるのです。大赤字の広島西飛行場を抱える広島県広島市静岡県や山陰を批判できるでしょうか。また、今日も地方空港に税金が投入されます。